...女中が襖(からかみ)を開けて髭面の菊池君が初めて顔を出した時の態(さま)が、目に浮ぶ...
石川啄木 「菊池君」
...自分も何だか氣が浮立つて...
石川啄木 「雲は天才である」
...船尾(スターン)の浮袋へ...
大阪圭吉 「死の快走船」
...のみなさい」「買収ですかな」いくらか浮(うは)つ調子に口の軽くなつた小谷にひきかへ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...つつましい表情を浮かべながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...浮田家の滅亡と共に新免氏は筑前の黒田家に従う事となったので西へ下る...
直木三十五 「巌流島」
...お才さんは賢い人ですから若主人もすつかり感心してをります」「浮氣と許嫁とは別なわけか」「――」八五郎は何にか唾(つば)でも吐きたいやうな氣になりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一つは一つより楽しい思いがひとりでに浮かんできて...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...いろいろの計画が心に浮んだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...それでも作り笑いを浮かべていると...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...その相手は悪酔いしたみすぼらしい浮浪者のようだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...杉田やその仲間が二人もゐる間で彼女は芝居帰りらしい気易い浮れ調子で「あたし達に知られたくないことがあるんだわ...
牧野信一 「F村での春」
...私が予期した通り僭越な微笑を浮べた...
牧野信一 「妄想患者」
...その浮子の流れるのを見て居る眼からの反応として...
正木不如丘 「健康を釣る」
...六時間湯煮(ゆで)ると脂が溶けて浮きます...
村井弦斎 「食道楽」
...水草の生えた花の浮いている水田のようなところへ行っておしまいなすったの...
室生犀星 「後の日の童子」
...暗いなかに浮ぶものは死の姿ではなく...
吉江喬松 「山岳美觀」
...作中の人物をくっきりと浮き彫りにし...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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