...朱書(しゅがき)された花火という字が茫然と浮出(うきだ)している情景は...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...暗色の葺屋根が白い霧に影絵のように浮び...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...「きましたよ」と孝ちゃんが明りに輪かくを浮かせていう...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...「若々しい北海道! 活動の好時期!」かう云ふ考へを思ひ浮べると...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...惡戲(いたづら)と温順とを浮べたる名状し難き顏色にてこなたを見詰めたり...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「胡弓」
...この公園の浮浪人共は存外(ぞんがい)意気地(いくじ)なしで...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...今それを思ひ浮べたとき...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...アリョーシャの顔にはほとんどおびえたような表情が浮かんだほどである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...至る所に浮游しているかも知れない...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...爽かな明るみの中に浮出してる窶れきった蒼ざめた頬に上った...
豊島与志雄 「好意」
...その二つがぽつりと浮出していて...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...浮世絵肉筆画の木板摺に及ばざる理由は...
永井荷風 「江戸芸術論」
...何かの調子でぼんやり浮いてくると...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...兄さんは浮々(うかうか)と散歩をしていて...
夏目漱石 「行人」
...よし、浮き上れ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...「佃育ちの白魚さへも花に浮かれて隅田川」なる近世都々逸の夢も奪へば...
正岡容 「浅草燈籠」
...物すごい出来事の記憶がアリアリと浮かみ現われ初めた……と見るうちに...
夢野久作 「一足お先に」
...竜門の浮き彫りなどに現われた直線的な衣の手法は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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