...山法師と双六の采と鴨川の水とのみ」と浩歎し給はざるを得ざりしにあらずや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...長々(ながなが)と浩歎(こうたん)の独白(どくはく)を述べた...
芥川龍之介 「将軍」
...所謂衆生は秘かに汗ばみ所謂庶民は僅かに息吐(いきづ)き所謂人類は爪尖たてゝ苦悩の大地の垣根の辺(ほと)りに是を仰いで浩歎した...
上里春生 「傾ける殿堂」
...不逞の徒よ(トレートル)」などと悲劇役者の台詞と身振を真似ながら両手を拡げて浩歎之を久しくする...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...いくら巧に描いても繪は到底自然生えの杉の美しさには比ぶべくもないと浩歎を發して繪筆をとつて...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...いまだゲルマンのごとくはなはだしき空論世界あらざるは吾人が実にゲルマン人民のために浩歎(こうたん)するところなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...吾人は欧州現今の形勢を視(み)て実に浩歎(こうたん)に堪えざるなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...あの人が好きなんですね」「何を言うのです」「憎めませんねえ」「嗚呼(ああ)……」兵馬は天を仰いで浩歎(こうたん)しますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...浩歎(こうたん)の叫びを発しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お角さんが浩歎(こうたん)すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...「美い女――君にはどうして、いい女か、醜(わる)い女か、それがわかる、まあ、いいや、勘でわかるとして置いて、事実、女もああなると凄(すご)いね」「まだ若いな」「若いにも、まだ嫁入り前なんだ、しかも、たまらぬ由緒のある女なんだ、あれを今晩、この座敷で拝もうとは思わなかった――しかも、あのしどけない寝巻姿の艶なるを見給え、迷うよ、仏でも迷うのは無理がないなあ」斎藤一が、二たび、三たび浩歎して、続いて物語るよう、「君、実際あの女は、仏を迷わした女なんだが、いいか、まあ、さしさわりのないその辺の京都名代の大寺の住職に毒水禅師というのがあったと思い給え、これは近代の名宗匠(めいしゅうしょう)で、会下(えげ)に掛錫(かしゃく)する幾万の雲衲(うんのう)を猫の子扱い、機鋒辛辣(しんらつ)にして行持(ぎょうじ)綿密、その門下には天下知名の豪傑が群がって来る、その大和尚がとうとう君、あの女にやられてしまったんだぜ」「いったい何者なのだ、処女か、玄人(くろうと)か、商売人か――」「何者でもない、単にその寺の門番の娘に過ぎないのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...浩歎駒隙過...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...吾人は之が為に浩歎を発せざるを得ず...
山路愛山 「英雄論」
...彼等はこれを知らずして只徒(いたず)らに天を仰いで空しく世道人心の頽廃を浩歎(こうたん)しているのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...と浩歎(こうたん)した...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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