...留守居の豌豆咲きつづくふと三日月を旅空にちよつぴり芽ぶかせて人を待つてゐる青蓋句屋・花ぐもりピアノのおけいこがはじまりました・どこの山の蕨だらうと噛みしめて旅四月廿五日黙祷・松のみどりのすなほな掌をあはす若葉へあけはなちだまつてゐる・雀のおしやべり借りたものが返せない・春寒抜けさうで抜けない歯だ・天龍さかのぼらう浜松の蠅をふりはらふ浜名街道・水のまんなかの道がまつすぐ四月廿六日曇...
種田山頭火 「旅日記」
...浜名湖めぐり・いのちありて浜名湖(ウミ)は花くもりのさざなみ・遠江春まだ寒い焼鮒買はう・旅もやうやく一人になりて白い花まいにちあるくぼつぼつ茶摘もはじまつた低空飛行その下の畑打つ・若葉わけのぼるちかみちうまい水があつた一足千里の地下足袋ふんで春ふかく・花ぐもりの湖が見えたりかくれたり...
種田山頭火 「旅日記」
...鷲津(わしづ)より舞坂(まいさか)にかゝる頃よりは道ようやく海岸に近づきて浜名(はまな)の湖窓外に青く...
寺田寅彦 「東上記」
...浜名の方に落ちた夕陽(ゆうひ)が赤々として...
中里介山 「大菩薩峠」
...初秋の浜名湖(はまなこ)を渡って...
野村胡堂 「江戸の火術」
...弟子の浜名屋又次郎(はまなやまたじろう)さんに助けられ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手前一人だろう」「まだありますよ」「誰だ」「浜名屋の冷飯食いで――」「又次郎か」「それから山口屋の旦那」「たいそう気が多いんだな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頬冠りの客は又次郎ですよ」ガラッ八は部屋の隅に小さくなっている浜名屋の又次郎を指しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...浜名納豆(はまななっとう)は絶やさずに蓄えて置いて食べた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...浜名湖(はまなこ)周囲の村々ではショウロメシ...
柳田国男 「こども風土記」
...もう浜名湖の向うまで往っていた...
柳田国男 「山の人生」
...大菩薩(だいぼさつ)(浜名郡(はまなごおり)有玉村(ありたまむら))より三方原(みかたがはら)にせまった...
山本周五郎 「死處」
...浜名湖の波は白く一様に頭を上げて海の方へ逆押しに押し寄せる...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...ぱつと眼の前へ浜名湖の夜景色(やけい)が浮び出た時は...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...右手の麦畑の間から浜名の村へ入つて行つた...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...橋本(浜名湖附近)の序戦にやぶれた...
吉川英治 「私本太平記」
...鏡(かがみ)のような入江をすべって浜名湖から外海(そとうみ)へとでてゆく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...巽小文治(たつみこぶんじ)と申すはもと浜名湖(はまなこ)の船夫(せんぷ)の子とかにて目じるしには常(つね)に朱柄(あかえ)の槍(やり)をたずさえております...
吉川英治 「神州天馬侠」
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