...タラタラと真赤な血が流れ出すのではないかと怪しまれた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...熱い汗が蝋に交ってぽた/\と流れ出す...
谷崎潤一郎 「少年」
...また他の家から来た屑と混合して製紙場の槽(ふね)から流れ出すまでの径路に...
寺田寅彦 「浅草紙」
...発電所から流れ出す水流の静かさを見て子供らが不審がる...
寺田寅彦 「軽井沢」
...ここから流れ出すものがたくさんな樋(とい)に分流しそれにいろいろの井戸から出る水を混じて書物になり雑誌になって提供される...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...それはいったん涙と共に流れ出すと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...或はすーっと一方の火口壁から流れ出す...
豊島与志雄 「憑きもの」
...角張(かどば)った絵紙鳶(えだこ)も飴細工(あめざいく)であるからは必ず流れ出す...
夏目漱石 「虞美人草」
...一種果敢な光が流れ出すによってそれと察しられるのである...
久生十蘭 「魔都」
...私は遠い山の中から洪水が流れ出す音を聞き...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...――余技は別として小説と詩とはワガマヽな心の起らぬ限り心から流れ出す儘なれば出来得る限り「真実」に源(もとづ)いて書き続ける決心です...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...この作者の全心から流れ出す初々しい生の感覚と愛の諧調で全篇がつらぬかれている...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...つい横に流れ出すのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(東京の青山の黒田家の応接室のマントルピースの上のフランス製のオルゴール時計から流れ出すワルツ曲)――それがしばらく流れて……春子 (泣き真似)うう! うう! わあ! おおんって泣くのよ...
三好十郎 「樹氷」
...目は流れ出す涙で悲しい相になっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自由に流れ出すのを感ずる...
吉江喬松 「霧の旅」
...つづく全軍もくろぐろと流れ出す...
吉川英治 「私本太平記」
...錫(すず)の手桶のなかにどくどくと血が流れ出す...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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