...之は洵に喜ぶべき事で...
會津八一 「音樂に就いて」
...あなたに序文を書いて頂(いただ)いて洵(まこと)に難有(ありがた)いと書いてあつた...
芥川龍之介 「偽者二題」
...こんなによい月夜だのに誰も来てくれなかつた、一洵和尚、どうしましたぞ!放哉坊の句をおもひださずにはゐられなかつた...
種田山頭火 「一草庵日記」
...夕方早く一洵君徃訪...
種田山頭火 「松山日記」
...――一洵老午後来庵...
種田山頭火 「松山日記」
...洋風を模していまだ至る事能(あた)はざる大正の世の中洵(まこと)に笑ふべきこと多し...
永井荷風 「洋服論」
...後に人に語つて曰(いわ)くこれ洵(まこと)に敝家(へいか)の宝物なり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...表は冷静そのもので洵に心にくい限りである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...洵に見事なものである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...洵(まこと)に危急存亡の秋なるに...
森鴎外 「舞姫」
...寺田洵吉は、フト郷里(くに)の荒果てた畑を偲い出しながらぐんぐん墜落する西日の中に、長い影を引ずって、幾度か道を間違えた末、やっと『水木舜一郎』の表札を発見した時は、冷々(ひえびえ)とした空気の中にも、体中がぽかぽかするのを感じた...
蘭郁二郎 「魔像」
...洵吉は、その器用に動く、綺麗な指先を見つめながら「うん、全く久しぶりだった...
蘭郁二郎 「魔像」
...今までの洵吉には...
蘭郁二郎 「魔像」
...水木と洵吉とは、蛇が蛙を呑み込む瞬間を、大写しにして喜んだり、或る時は「絞首台の死刑囚」と題する写真を撮る為に、洵吉が芝居染みた扮装をして、陰惨なバックの前で、天井から吊るされた縄に、首を絞(くく)ってぶら下り――莫迦気たことには、光線の加減で、シャッターを長くした為、も少しで洵吉は本当に死んでしまうところだった――けれどその代り、この写真を焼付けて見ると、正(まさ)に死に墜ちる瞬間の、物凄い形相が、画面からぞわぞわと滲出(にじみで)て、思わずゾッとしたものが、背筋を駛(はし)るほどの出来栄えだった...
蘭郁二郎 「魔像」
...「すごいぞ、大成功……」そういいながら、水木と洵吉とは、まだ濡れている写真を奪合うようにして覗きみては、手を拍(う)って喜び、部屋の中を踊廻っていた...
蘭郁二郎 「魔像」
...一度何処かで、とても公開することは出来ないだろうけれど……会員組織ででもいいから、展覧会をやってみたいね、きっと驚くぜ、中には卒倒する奴が出るかも知れないぜ――」無論、洵吉も、大賛成だった...
蘭郁二郎 「魔像」
...洵吉も、水木の横顔にひくひくと動く、(蒼白い、重大な決意)に押されて、口を噤(つぐ)んでしまった...
蘭郁二郎 「魔像」
...御免蒙るよ……)洵吉は...
蘭郁二郎 「魔像」
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