...馬車の窓より洩るる燈光に...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...産屋(うぶや)洩る初日影より...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...雨は笊から水の洩るように降りしきるので...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...喞筒(ポンプ)の水を汲み上げるもの、ヅックの管を荷(にな)ふもの、管の尖(さき)を持つて頻りに度合を計つて居るもの、やれ今少し力を入れろの、やれ管が少し横に曲るの、やれ洩るの、やれ冷いのと、それは一方(ひとかた)ならぬ大騒で、世話人らしい印半纏(しるしばんてん)を着た五十格好(かつかう)の中老漢(ちゆうおやぢ)が頻りにそれを指図して居るにも拘(かゝ)はらず、一同はまだ好く喞筒の遣(つか)ひ方に慣(な)れぬと覚しく、管から迸出する水を思ふ所に遣らうとするには、まだ余程困難らしい有様が明かに見える...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...青葉を洩る明るい陽光を浴びながら...
中村地平 「悪夢」
...八十三 少しずつ洩る水が止んで後...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...――借家探しも面倒か、そんなら誰のものだつて関やしない、今度こそは俺も一緒に新町の方へ移らう、お城通ひには彼処の方が便利だから!」「だつて彼処の家、雨が洩るわよ...
牧野信一 「熱い風」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...真紅の帆から洩る風は長閑(のどか)な春を地に満たし...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...梢を洩るる月光が...
吉川英治 「剣難女難」
...木の間洩る月光の下に...
吉川英治 「三国志」
...洩るるはなき鹵簿(ろぼ)であったが...
吉川英治 「私本太平記」
...敵に洩るることを惧(おそ)れて...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここでもう充分結構でございます」「寒風が洩る――」と...
吉川英治 「親鸞」
...屋根から洩る陽の光を見て...
吉川英治 「親鸞」
...木枯らしの洩るように響いてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...月明りが屋根からも壁からも洩る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...遠く来つ友もはるけく出でて来て此処に相逢ひぬ笑みて言(こと)なく無事なりき我にも事の無かりきと相逢ひて言ふその喜びを酒のみの我等がいのち露霜の消(け)やすきものを逢はでをられぬ湖(うみ)べりの宿屋の二階寒けれや見るみずうみの寒きごとくに隙間洩る木枯の風寒くして酒の匂ひぞ部屋に揺れたつ十一月二日...
若山牧水 「木枯紀行」
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