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饗庭篁村 「木曾道中記」
...馬車の窓より洩るる燈光に...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...春雨や人住みて煙(けぶり)壁を洩る物種(ものだね)の袋濡らしつ春の雨春雨や身にふる頭巾(づきん)着たりけり春雨や小磯の小貝濡るるほど滝口(たきぐち)に灯を呼ぶ声や春の雨ぬなは生(お)ふ池の水(み)かさや春の雨夢中吟春雨やもの書かぬ身のあはれなるこの蕪村の十二句は目に訴へる美しさを...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...窓洩る光ほの暗く粉曳臼(こなひきうす)の上に落ち...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...若し辛き言句わが口洩るとせば――神明すべてを打ち消さむ』しかく宣んしてその場(には)に彼らと別れ他に進み...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その例に洩るることができませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...(下略)朝盛の出家に至りては既に公然の事實なれば何人の之を知るとも怪むに足らざれども其遺書の閨中に存せしこと并に其書中記載の事項に至りては遽に和田一門以外の人に洩るべきにはあらず...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...破目を洩る風が冷く焚火の上をかすめた...
牧野信一 「山峡の凧」
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正岡子規 「俳人蕪村」
...折から又もや雲の間を洩る月の光りに自分の姿がありありと鏡の中へ映りました...
夢野久作 「白髪小僧」
...其処(そこ)は雨が甚(ひど)く洩るので...
與謝野寛 「蓬生」
...梢を洩るる月光が...
吉川英治 「剣難女難」
...洩るるはなき鹵簿(ろぼ)であったが...
吉川英治 「私本太平記」
...敵に洩るることを惧(おそ)れて...
吉川英治 「新書太閤記」
...木枯らしの洩るように響いてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そこからも風が洩る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...月洩る家は何の不便もなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...遠く来つ友もはるけく出でて来て此処に相逢ひぬ笑みて言(こと)なく無事なりき我にも事の無かりきと相逢ひて言ふその喜びを酒のみの我等がいのち露霜の消(け)やすきものを逢はでをられぬ湖(うみ)べりの宿屋の二階寒けれや見るみずうみの寒きごとくに隙間洩る木枯の風寒くして酒の匂ひぞ部屋に揺れたつ十一月二日...
若山牧水 「木枯紀行」
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