...就中(なかんずく)疱瘡は津々浦々まで種痘が行われる今日では到底想像しかねるほど猛列に流行し...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...日本全国津々浦々にまでつたわった...
海野十三 「火星兵団」
...無限の魅力を持つた早稻田大學校歌は今日全國津々浦々の兒童に至るまで高唱せぬ者はない...
相馬御風 「校歌「都の西北」と私」
...かしこくも明治大帝の教育に関する大御心はまことに神速に奥州の津々浦々にまで浸透して...
太宰治 「津軽」
...しかも今日印度の津々浦々各町村に英国の密偵が入り込んで...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...広くもあらぬこの港の津々浦々は...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうして見たところ津々浦々は...
中里介山 「大菩薩峠」
...お針仕事が、津々浦々の、女たちにもわかりよいやうに、反物の幅(はば)は、およそ男の人の絎(ゆき)に一ぱいであることを目標(めあて)とし、その布を、袖に四ツに疊んで折り、身ごろを長く四ツに折ればとれる...
長谷川時雨 「きもの」
...……わしは雲水になって津々浦々...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...大黒尊像は日本の津々浦々にまで行きわたるような大勢力となった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「土民の無知は呆(あき)れはてましたよ、檣頭(しょうとう)たかく掲げたみ国の旗章さえとんと存じておらんのでございます、――それ、黒船が来おった、戦がはじまった、こう思うたと云うのでございまして、そら逃げろ、持てるだけのものを持って遁走(とんそう)しろ、他国ものには決して見つからぬあの裏山の間道に駈けこめ――かようなわけで、見るもぶざまな周章狼狽(ろうばい)――そうら、いよいよ小船をおろした、と、本官らの下船をみとめて、家をもぬけに致し、くだんの山峡(やまかい)に逃げこんでおりましたです、戦さは無常の風じゃと申しとります、生臭さ坊主の親鸞(しんらん)めが、おどろくべし、津々浦々まで、彼の教義をひろめております、ところで、しかるにその信徒めらが、あなた? こういう無慈悲なことも致しおる、あちらに外れある家でしたが、よほどの臆病ものと見えて、足弱の爺さん婆さんを置き去りにして、逐電しおりました...
本庄陸男 「石狩川」
...津々浦々に聴えただけ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...日本の津々浦々には...
柳宗悦 「陸中雑記」
...津々浦々に到るまで...
夢野久作 「白髪小僧」
...南朝鮮の津々浦々をまわって見たまえ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...第二、第三の宮方の鯨波(げいは)は、津々浦々から、鼓(こ)を鳴らして起って来よう...
吉川英治 「私本太平記」
...九州津々浦々の船を...
吉川英治 「私本太平記」
...――というのは、源九郎義経が平家を壇ノ浦に討ったさい、その水案内(みずさき)にはここの串崎船が先陣をつとめ、その功で以来「――日本国中、津々浦々、どこに寄っても、串崎船は公役を受くるに及ばず」という公役免除の墨付(すみつき)をうけており、いかなる軍官の命でも、おいそれとは応じない気質(かたぎ)をもっていたのだった...
吉川英治 「私本太平記」
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