...時々鼻洟(はな)をすすりこむ音が...
芥川龍之介 「蜜柑」
...洟(はな)っ垂(たれ)の一人が...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...きゅっと子の洟(はな)を拭いてやる事もある...
太宰治 「父」
...まだあの頃の洟(はな)っ垂らしのような錯覚が起ってきてならなかったのです...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...洟水も出る、これも老を告げるものだ...
種田山頭火 「其中日記」
...「あれは何だね」折から子供を背負つた十歳(とを)ばかりの洟垂(はなたら)しの頑童(わんぱく)が傍(そば)に来たので...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...うつ向いていると水洟(みずばな)が自然にたれかかって来るのをじっとこらえている...
寺田寅彦 「花物語」
...洟ひるや木でのごはむや...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...延岡は洟やよだれをづるづる出して...
林芙美子 「就職」
...それから洟(はな)を横撫(よこな)でにして私を見あげた...
山本周五郎 「青べか物語」
...そうして電話がかかるたんびに水洟(みずっぱな)をススリ上げススリ上げ立上っていたが...
夢野久作 「老巡査」
...楮幣で洟(はな)をかンだことが知れて引っ張られた遊女(あそびめ)だの...
吉川英治 「私本太平記」
...いつまでも洟(はな)をたらしていた頃のおつもりでは迷惑仕(つかまつ)る――と云いたげな構えである...
吉川英治 「新書太閤記」
...よくよく嬶(かかあ)の尻に敷かれッ放しな洟(はな)ッ垂らしの亭主だと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...三の洟垂(はなた)らしだったが...
吉川英治 「平の将門」
...洟水(はなみず)をすすりあい...
吉川英治 「平の将門」
...乙坊(おとぼう)の洟(はな)をカンでやんな...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あわてて眼を拭いたり洟(はな)をかんだりして起上がり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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