...洋行するよりは、貧しく愚かな女と苦労することのほうが、人間の事業として、困難でもあり、また、光栄なものであるとさえ思っているからだ...
太宰治 「如是我聞」
...もうその比(ころ)洋行するような人もあって...
田中貢太郎 「鷲」
...洋行する人にハイカラな物は気が利かないし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...阿曽の兄が来月初旬に洋行するんで...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...……研究をさらに進めるため洋行する日本の青年学者を思ってみよ...
寺田寅彦 「人の言葉――自分の言葉」
...福見や河野が洋行する話や...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...御多分に洩れず洋行することになりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...洋行する知己友人のあるたびに...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ついこの間までは洋行するってしきりに騒いでいたじゃないか」三沢は自分の矛盾を追窮した...
夏目漱石 「行人」
...その後程経(ほどへ)て文久元年の冬、洋行するとき、長崎に寄港して二日ばかり滞在中、山本の家を尋ねて先年中の礼を述べ、今度洋行の次第を語り、そのとき始めて酒の事を打明(うちあ)け、下戸(げこ)とは偽(いつわ)り実は大酒飲(おおざけのみ)だと白状して、飲んだも飲んだか、恐ろしく飲んで、先生夫婦を驚かした事を覚えて居ます...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...洋行すると、これのひどいのになって、東京―日本に容れられなくなってしまふのだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...だが洋行するには先だつものが必要である...
三浦環 「お蝶夫人」
...此の映画が再び洋行する事が出来たなら...
溝口健二 「日本趣味映画」
...一郎は洋行するはずになっていたが...
水上滝太郎 「九月一日」
...世の人は洋行すると西洋好きになるが...
三宅花圃 「藪の鶯」
...洋行すると云はれた...
森林太郎 「長谷川辰之助」
...かういふ人が洋行するのは此上もない事だと思つて...
森林太郎 「長谷川辰之助」
...今でも初めて洋行する人は...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
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