...あの堤防上に亂鬪が起つたとして自分は果して泰然とこれを乘切ることが出來たであらうか? 苟も十字架を負うて社會運動に身を投じたと稱するものが...
石川三四郎 「浪」
...この泰然として動かず悠然として流るる山河の形勢は...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...五十四万石の大守細川侯ばかりは泰然としてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...神様がおってたまるものかい」泰然と坐って傍視(わきみ)もせずに前の方を見ていた源吉が云った...
田中貢太郎 「放生津物語」
...止せったら!……ぶっ壊しちまうぞ!」彼女が泰然としてるのを見ると...
豊島与志雄 「神棚」
...そして泰然と落着きはらっていた...
豊島与志雄 「霧の中」
...その包囲のうちに泰然と身を任した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...泰然として人の跡より出かけしに...
内藤湖南 「寧樂」
...三位一体を象徴する三ツ山は泰然としている...
永井隆 「長崎の鐘」
...馬場要は一人泰然として杯を挙げているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いざとなると怖くなって逃出したんだろう」平次は思いの外泰然として驚く様子もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...神田中のいい娘は一人残らず親類筋のような気でいるんだろう」平次は相変らず泰然として...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ママが居間の長椅子で泰然とご読書をしていられた...
久生十蘭 「だいこん」
...肥り肉の方は泰然と構えていながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...泰然とおさまっている...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ただ泰然として動ずる色なく自己を持しただけだとは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼は沈着泰然としている...
山本周五郎 「百足ちがい」
...こう泰然とはしているものの...
吉川英治 「上杉謙信」
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