...蚕豆(そらまめ)のような泪(なみだ)がポロポロと出た...
海野十三 「柿色の紙風船」
...畳の上へほろほろ泪(なみだ)を落した...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...泪(なみだ)を催(もよお)しているのであった...
海野十三 「東京要塞」
...頭(かしら)を低(たれ)て泪(なみだ)をおとしけり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...私ア口惜(くや)しくッて口惜しくッてならないよ」ト云ッて襦袢(じゅばん)の袖口(そでぐち)で泪(なみだ)を拭(ふ)いた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...私は我知らず泪含(なみだぐ)んだ...
二葉亭四迷 「平凡」
...あたしは泪ぐみたいような気にさえなってくることが仕方がなかった――...
正岡容 「寄席行燈」
...浅田は泪(なみだ)ぐましい心持になった...
松本泰 「秘められたる挿話」
...泪ぐましいやうな心もちになることが爲方がなかつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...杯を手にしながら「酔悲泪灑春杯裏(ゑひのかなしみのなみだをそそぐはるのさかづきのうち)」と二人がいっしょに歌った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...肥後の葦北(あしきた)郡には山川の岸に泥泪(どろめき)という地名がある...
柳田國男 「地名の研究」
...それ世は泪(なみだ)雨と時雨(しぐれ)と里東(りとう)雪舟(そり)に乗る越(こし)の遊女の寒さうに野径(やけい)壱歩(いちぶ)につなぐ丁百(ちょうひゃく)の銭(ぜに)乙州(おとくに)とある中の句で...
柳田国男 「木綿以前の事」
...なつかしい昌夫の泪(なみだ)ながらの告白に負けてしまった...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...泪(なみだ)が出て来て仕様がなかった...
夢野久作 「ココナットの実」
...泣くような……笑うような皺(しわ)を顔中に引き釣らして泪の流れを歪(ゆが)みうねらせた...
夢野久作 「ココナットの実」
...泪(なみだ)なんか出して……妾……男の方の前で...
夢野久作 「支那米の袋」
...溢れる泪に濡れていた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...泪の「失恋」を彼女から与えられようとしている……...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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