...そして、泥川のと違ひ、鱗に胡麻班(ごまぶち)など付いてなくて、青白い銀色の光り、そりやア美しいです...
石井研堂 「元日の釣」
...由次が一人で泥上げをしていた...
犬田卯 「米」
...手(て)に觸(ふ)れると宛然(まるで)泥(どろ)の如(ごど)く...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...至善(しぜん)の大道(たいだう)と遊芸(いうげい)の小技(せうぎ)と尊卑(そんひ)の雲泥(うんでい)は論におよばざれども...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...砲車が泥濘の中に陥って少しも動かぬのを押して押して押し通した...
田山花袋 「一兵卒」
...第三編泥土(でいど)にして霊一 下水道とその意外なるもらい物ジャン・ヴァルジャンがはいり込んだのは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その説の起る由來を辨ぜずして末節に拘泥し是非の論をなすもので...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...生き殘つた泥棒が殺して了つたのさ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二日前に泥酔罪で判事に起訴・宣告され...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...例の泥だらけの自動車が乗り捨ててあった...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...あの頃は近所によく泥棒が入った...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...ひどい泥濘と云ったら全くお話のほかです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...美味で一寸泥くさいことと云ったら! 人間が喰われてしまいそうな化物南瓜ね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...泥棒や」とおそでは足をばたばたさせながら喚き続けていた...
山本周五郎 「へちまの木」
...では、鶴の餌の泥鰌は、これへ置いて参ります』『泥鰌? それも要らん、持って帰れ』『左様でございますか』怪訝(けげん)な顔をして――つい、起(た)ち惑(まど)っていると、左兵衛佐は、家の中へ向って、『孫兵衛、孫兵衛っ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...泥竈(へっつい)の下から...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...まだ火も釉薬(うわぐすり)もかけぬ素泥(すどろ)の皿...
吉川英治 「増長天王」
...あの泥水を好いて咲く黄いろい河骨の花だった...
吉川英治 「松のや露八」
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