...五位は、例の笑ふのか、泣くのか、わからないやうな笑顔をして、利仁の顔と、空(から)の椀とを等分に見比べてゐた...
芥川龍之介 「芋粥」
...……わたしは一緒に泣く事ができる...
有島武郎 「或る女」
...詩神は瓦礫(ぐわれき)の中に立ちて泣くほどに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...可愛い娘の死体だと思って泣く泣く焼場へ納めたこってしょうよ」「ウフフフフ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...……房子が泣くであろう...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...一ときそうして泣くがいい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...「あなた私が柳沢さんのところへいったらどうする?」お宮はまた泣くような声でいった...
近松秋江 「うつり香」
...闇の中に泣く小児のごとくなっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...よよと泣く声が座敷の一方から起りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...浜のかかが泣くとや...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...泣くのにも気がのりませんでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...泣く子も黙るという...
火野葦平 「花と龍」
...泣く事も出来ずぼんやり立っていたのでしたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...泣く泣く麓(ふもと)へ扶(たす)けられて行った...
吉川英治 「新書太閤記」
...泣くにも泣けぬ心地がした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...手放しで泣く者があった...
吉川英治 「源頼朝」
...燈心の油が泣くと燭を剪(き)った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし死相を示す尉や姥は泣くことも笑うこともできる...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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