...無垢(むく)な少女おつねを泣かせずにも済んだのだ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...貴様がこの小僧をぴいぴい泣かせるものだから...
海野十三 「太平洋魔城」
...ついに声たてて泣かせてしまったものは...
太宰治 「狂言の神」
...私は東京に於いて、彼の所謂「女で大しくじり」をして、それも一度や二度でない、たび重なる大しくじりばかりして、親兄弟の肩身をせまくさせたけれども、しかし、せめて、これだけは言えると思う、「ただ金のあるにまかせて、色男ぶって、芸者を泣かせて、やにさがっていたのではない!」みじめなプロテストではあるが、これをさえ私は未だに信じてもらえない立場にいるらしいのを、彼の言葉に依って知らされ、うんざりした...
太宰治 「親友交歓」
...というところが泣かせどころなのかも知れない...
太宰治 「正義と微笑」
...弱い、踏みにじられたる、いまさら恨(うら)み言えた義理じゃない人の忍びに忍んで、こらえにこらえて、足げにされたる塵芥、腐った女の、いまわのきわの一すじの、神への抗議、おもんの憤怒が、私を泣かせた、ここを忘れてはならない、人の子、その生涯に、三たび、まことに憤怒することあるべし、とモオゼの呟(つぶや)き...
太宰治 「二十世紀旗手」
...たゞ若い奥さんがだらしなくて赤子を泣かせてゐたのは嫌だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...緑平老の手紙は私を泣かせる...
種田山頭火 「其中日記」
...人を苦しめ泣かせる行為は結局自分をいじめ殺す行為であるような気もするのである...
寺田寅彦 「沓掛より」
...女を泣かせてみせるんだが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...勝手に泣かせることだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...とうとうお泣かせ申してしまいました」と叱るのはばあやの声...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな心配もありますまいよ」「有難う御座います」「その人氣を獨り占(じめ)にして居る菩薩樣が少し汚れたやうですね――あれは矢張りサクラを使つて泣かせるんでせう――」「親分...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの人泣かせな道具を一つ殘らず叩き割つてやり度いと言つて居たさうですよ」「それとこれとは別だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――吾妻屋の金右衛門はさんざん人を泣かせた酬(むく)いで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐ろしく勘定高くて握りつ拳(こぶし)で口やかましくて奉公人泣かせですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鹿の来て女院を泣かせまつりたる日の如くにも積れる落葉久し振りで平家をあけてこの行りを読んで見る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...よく泣かせるナ」菊王は舌打ちして...
吉川英治 「私本太平記」
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