...涙脆(なみだもろ)い桟敷(さじき)の婦人(をんな)客を直ぐ泣かせる事が出来るので...
薄田泣菫 「茶話」
...というところが泣かせどころなのかも知れない...
太宰治 「正義と微笑」
...緑平老の手紙は私を泣かせる...
種田山頭火 「其中日記」
...一家の悲痛まことに人を泣かせずには置きませんでした...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...此処で笑はせてやろう泣かせて見ようとか自分で思つたら...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...宗教類似の信仰に夢中になって家族を泣かせるおやじもあれば...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...その下の影の中に面紗(かおぎぬ)をかぶった人たちを泣かせる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そうした「泣かせ方」が...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...とうとうお泣かせ申してしまいました」と叱るのはばあやの声...
中里介山 「大菩薩峠」
...若い時からずいぶん人を泣かせてきた様子ですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どれだけ多勢の人を泣かせて來たかわからず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの人泣かせな道具を一つ殘らず叩き割つてやり度いと言つて居たさうですよ」「それとこれとは別だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」「俺はあの女を泣かせる事に興味を覚えていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...お峰を泣かせし今朝とは變りて父が顏色いかにとばかり...
樋口一葉 「大つごもり」
...とう/\泣かせてしまふまで...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼は泣かせようと思つて撲つたのではなく...
北條民雄 「道化芝居」
...あなたをしてそこで思ふさま泣かせる事の出來ないのを口惜しくかはいさうに思ひながら...
水野仙子 「響」
...つね日ごろ女房泣かせの輩(やから)が来ては「おれにも書いてくれ」と請われるまま...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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