...出来る丈け口を開けて四辺(あたり)の人を呑んでしまふやうな声を出して笑ふ泡鳴(ほうめい)氏は小胆な正直者であります...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...口から泡を吹くような調子で...
梅崎春生 「幻化」
...凡ての苦心が水の泡だ...
江戸川乱歩 「心理試験」
...そこでは水は泡こそたてなかつたがよく見ると縞のやうな流線を造つて速く流れてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...金なんか直ぐ泡(あわ)の様に消えて了う...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...時々泡のようなものが浮いて来る...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...汚れた土を崩す事は気安めではない大きい冷い屋根を引つぺがへして浪の泡沫をふりかけやうか!それとも長い暗いトンネルの中へ鎖の鍵を持つてゐるムカデをトコロテンのやうに押し込んでやらうか!奈落にひしめきあふ不幸な電気人形よ波を叩いて飛ぶ荒鷲のツバサを見よ海よ海!海には自由で軽快な帆船がいつぱいだ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...消えゆく泡は世の中の...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...満足して深いため息をついたのは泡立つ琥珀(こはく)ワインを飲み干したときだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...これを塩漬にもし泡盛漬にもし...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...(※‥‥‥コロナは三十七万十九※‥‥‥※‥‥‥ )くずれかかった煉瓦(れんが)の肥溜(こえだめ)の中にはビールのように泡(あわ)がもりあがっています...
宮沢賢治 「イーハトーボ農学校の春」
...第二百五 カステラお登和嬢「玉子の泡がそれほどに固くなったら米利堅粉(めりけんこ)の代りに小麦粉(うどんこ)の上等を細かい篩(ふるい)でふるわなければいけません...
村井弦斎 「食道楽」
...モーこの通りよく泡立って参りました」と手も口もともに働く忙しさ...
村井弦斎 「食道楽」
...遠火の上で泡立てると速く出来るという人がありましたからそう致したのです...
村井弦斎 「食道楽」
...大きな丼で泡盛を飲んだんだだの...
山之口貘 「私の青年時代」
...盥一面に山のごと泡が浮きます...
夢野久作 「近世快人伝」
...石鹸の泡が滴ると...
横光利一 「上海」
...笑うが如き泡沫(あわ)が一面ぶつぶつ明滅するのみである...
吉川英治 「新・水滸伝」
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