...どこからともなく時雨(しぐれ)のような霰(あられ)が降って来て海面を泡立(あわだ)たす...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...古沼の底から生れた水の泡が...
薄田泣菫 「初蛙」
...ビールやら酒やら泡盛やら飲みすぎて...
種田山頭火 「其中日記」
...そく足の伝令騎が泡を噛(か)んで一散に駈(か)けすぎる...
徳永直 「冬枯れ」
...表面的な泡沫的な狭小な意識の世界を去って...
豊島与志雄 「文学以前」
...いつのまにか泡沫のように消え去ってしまった...
豊島与志雄 「理想の女」
...何処へでもまるでシャンペンが泡吹くやうにおめへは笑を撒き散らす...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...泡立(あわだ)つシャンパンの杯がある...
夏目漱石 「三四郎」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...汚れた土を崩す事は気安めではない大きい冷い屋根を引つぺがへして浪の泡沫をふりかけやうか!それとも長い暗いトンネルの中へ鎖の鍵を持つてゐるムカデをトコロテンのやうに押し込んでやらうか!奈落にひしめきあふ不幸な電気人形よ波を叩いて飛ぶ荒鷲のツバサを見よ海よ海!海には自由で軽快な帆船がいつぱいだ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...その愉しさはまるで泡雪(あはゆき)のやうなたよりないものである事も承知だつた...
林芙美子 「浮雲」
...これも多分昨夜の泡盛のなす業であろうと思い...
久生十蘭 「魔都」
...満足して深いため息をついたのは泡立つ琥珀(こはく)ワインを飲み干したときだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...口から泡を吹いて苦悶するのであつた...
正宗白鳥 「吉日」
...鶏卵を泡立てるは産卵後幾日目(いくにちめ)の物を用ゆべきや...
村井弦斎 「食道楽」
...高見沢様宅にて水泡先生から大黒様の画をいただき...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...青い泡をかんでいる...
吉川英治 「江戸三国志」
...無数の泡が、いちめんに、もくもくと、音を立てて、舷(ふなべり)にはじけて消える...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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