...左右から白い泡を吹いて落ちこんでいるのを見ながら行くと...
石川欣一 「可愛い山」
...鎔岩(ようがん)に無數(むすう)の泡末(ほうまつ)が含(ふく)まれたものは輕石(かるいし)或(あるひ)はそれに類似(るいじ)のものとなるのであるが...
今村明恒 「火山の話」
...十尾(ぴき)ばかりの小さな鮠(はや)も水の泡のように浮んだ...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...折角の計劃(けいかく)が水の泡(あわ)になった上...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...そうしてそれなりに地面に寝てしまって口から泡(あわ)を吹き出した...
寺田寅彦 「自由画稿」
...しきりに口角から泡を飛ばしていたが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...口から泡(あわ)を吹いてゐるのだらう...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...私の家の近くのディープデンを流れてゐる小さい川の泡立つ音だと思つてしまふの...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...今回の換え地出願も泡のように消えそうな気がした...
本庄陸男 「石狩川」
...お前が泡となつたら妾はお前のために美しい微笑を浮べて...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...斯んな態を見られてはこれまでの辛棒も水の泡だ! と呟くと...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...淀(よど)みに浮ぶ泡沫(うたかた)は...
南方熊楠 「十二支考」
...大きな塗椀の中にはぷつぷつと泡立っているとろろ汁が入っていた...
矢田津世子 「茶粥の記」
...あの男は泡(あわ)をくって駆けていったっけ」「追っていった騎馬は目付役の者たちだ」「それはそれは」秀之進はそっと笑いだした...
山本周五郎 「新潮記」
...悲雨惨風(ひうさんぷう)をなめている苦労がみんな水の泡だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...地上を寝床にして唇から泡を吹きながらタヌキ寝人を始めた...
吉行エイスケ 「スポールティフな娼婦」
...「こいつはちょっと発泡膏(はっぽうこう)みたいな働きをするんです」と彼は言う...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...沖一面の白浪が泡立ちながら此方を目がけて寄せて来ているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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