...油断のならない荒海(あらうみ)だった...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...――こいつは馬鹿な面(つら)をしているくせに油断のならない横紙破りだと思いながら...
有島武郎 「カインの末裔」
...そればかりでなく西山は剽軽(ひょうきん)なようで油断のならないところがある...
有島武郎 「星座」
...しかもより油断のならない...
大杉栄 「日本脱出記」
...この油断のならない伯爵を...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...油断のならない眼をもって...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからねえ、友さん、お前さんだって、男でしょう、わたしだってこれでも女の端くれなのよ、女が男に惚れておかしいということがありますか、男と女とは、許すもののように出来ているのが本当で、許されないというのは、神代からの掟(おきて)ではないのです」「ふざけるな! いいかげんにしろ!」「何がふざけるのですか、友さん、ごらんなさい、あの奥の間で、二人の仲のよいこと、あれは何ですか、一方が眼が見えようとも見えまいとも、男は男に相違ない、一方は、まだ世間知らずとは言いながら、油断のならない、小娘だって女のうちじゃありませんか、その男と女の二人がああして仲よく奥の一間にいるのを、友さんは何とも驚きもしない、咎めもしないで、おとなしく張番をしていながら、それと同じことを言い出したわたしを、畜生だの、阿魔だの、くたばれだのと悪口雑言をなさるのがわからないじゃありませんか――わたしと寝るのがいやならば、あの奥の間の二人をどうするのですか...
中里介山 「大菩薩峠」
...なお油断のならないのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...何時の間にか帰って来ているんですもの」門司の叔父というのは油断のならない男として彼らの間に知られていた...
夏目漱石 「道草」
...奥さんこの猫は油断のならない相好(そうごう)ですぜ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その丸っこい体型が油断のならない鋭敏さを語っている男爵が言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...なかなか油断のならない人格だね」「おれも...
久生十蘭 「キャラコさん」
...なかなか油断のならない存在だよ」右舷に島影が浮きだし...
久生十蘭 「ノア」
...油断のならないものだと思うんだが...
久生十蘭 「肌色の月」
...油断のならない心持がした...
宮本百合子 「思い出すこと」
...抜目のない人同志の話は油断のならないものらしい...
宮本百合子 「暁光」
...油断のならない妙なところだ...
吉川英治 「江戸三国志」
...油断のならない人間かも知れないといっていたが」「じゃあ...
吉川英治 「三国志」
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