...油断のならない荒海(あらうみ)だった...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...――こいつは馬鹿な面(つら)をしているくせに油断のならない横紙破りだと思いながら...
有島武郎 「カインの末裔」
...ちっとも油断のならない二時間半の飛行に...
海野十三 「怪塔王」
...なかなか油断のならない重要人物であることが知れて来るが...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...油断のならない眼を冷く据ゑて...
武田麟太郎 「一の酉」
...油断のならないところもあるように思いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...油断のならない眼をもって...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからねえ、友さん、お前さんだって、男でしょう、わたしだってこれでも女の端くれなのよ、女が男に惚れておかしいということがありますか、男と女とは、許すもののように出来ているのが本当で、許されないというのは、神代からの掟(おきて)ではないのです」「ふざけるな! いいかげんにしろ!」「何がふざけるのですか、友さん、ごらんなさい、あの奥の間で、二人の仲のよいこと、あれは何ですか、一方が眼が見えようとも見えまいとも、男は男に相違ない、一方は、まだ世間知らずとは言いながら、油断のならない、小娘だって女のうちじゃありませんか、その男と女の二人がああして仲よく奥の一間にいるのを、友さんは何とも驚きもしない、咎めもしないで、おとなしく張番をしていながら、それと同じことを言い出したわたしを、畜生だの、阿魔だの、くたばれだのと悪口雑言をなさるのがわからないじゃありませんか――わたしと寝るのがいやならば、あの奥の間の二人をどうするのですか...
中里介山 「大菩薩峠」
...奥さんこの猫は油断のならない相好(そうごう)ですぜ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...僕はこの問答を未(いま)だに記憶しているんだがその時小供心に女と云うものはなるほど油断のならないものだと思ったよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...油断のならない世の中だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...油断のならない力で...
久生十蘭 「川波」
...又イギリスがしかつめらしい皮をつけ乍らなかなか油断のならない通人をもっている証拠で面白いと思うの)ミラノのスカラ座では一八四八年頃...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...――まだ油断のならないのは相良(さがら)金吾...
吉川英治 「江戸三国志」
...いよいよこいつ油断のならない小僧...
吉川英治 「江戸三国志」
...その油断のならない野望にたいし...
吉川英治 「新書太閤記」
...「油断のならない舅(しゅうと)だ」と...
吉川英治 「源頼朝」
...油断のならない山坂だ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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