...また最も流行ったのは油壺に胡麻油か何かを入れて...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...鶴子さんは左あらぬ振をして反古で油壺を拭く...
高濱虚子 「俳諧師」
...父親は通りからランプや油壺(あぶらつぼ)...
徳田秋声 「足迹」
...ある時過(あやま)ってランプの火が油壺(あぶらつぼ)に移り...
徳田秋声 「縮図」
...米友の身にとっては油壺も大切ですけれどもその油壺を抛り出してさえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...当の人がいないのを幸いに、立帰るほどの元気もなく、主なき炬燵(こたつ)に膝を入れるほどの勇気もなく、油壺を前にして、ぼんやりと、立っていいのか、坐っていいのか、わからなくなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...油壺をそこへ差置くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...その洋燈は細長い竹の台の上に油壺(あぶらつぼ)を篏(は)め込むように拵(こしら)えたもので...
夏目漱石 「道草」
...「いい恰好なの? それが? あんまりよかあないわ?油壺(あぶらつぼ)なんか何で持っていらっしったの?」「油壺なものか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...困ったものだな」と独(ひと)りで油壺を取り上げて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...しかもこの油壺の海底には...
西尾正 「墓場」
...行灯(あんどん)の皿と古い小さい油壺(あぶらつぼ)にあるだけ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蔵に寄せて積みあげた油壺や油甕のあいだで蟋蟀が鳴いている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...窓の下の経机の上に筆墨と青銅の油壺のついた油燈が出ている...
久生十蘭 「新西遊記」
...――油壺の水族館へ赴くと...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...車を駆つて油壺の浜辺までのしたわけであつた...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...寝台の下に転げ込んでゐる油壺を四つん這ひになつて辛うじて探し出した...
牧野信一 「ゾイラス」
...諸方から焔硝(えんしょう)や油壺を投げて...
吉川英治 「三国志」
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