...或は又個性及び個人の特長を没却するといふことでもない...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「婦人解放の悲劇」
...それ物象を明示するは詩興四分の三を没却するものなり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...個人を没却する大都会の生活は彼の心に染まなかったが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...故に空間概念は空間が空間として持つ性格を没却する概念ではなくして...
戸坂潤 「性格としての空間」
...一切の主観を――没却することが自然主義客観描写の根本となる...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...そして自我を没却するこの態度を押し進めてゆく時...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...自分の文章の特色を没却することを意味するのでは断じてない...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...カフカがきわめて崇高な意味において尊重していた積極的な現世の力を没却するものである...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...これは前人の名づけた名前を没却する悪意ではけっしてない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...この対立はやがて美術文芸の潮流の内に王朝の流風を追う表現法と極度に官能的要素を没却する表現法との対峙となって現われるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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