...没却すべからざる特質を有しているからである...
芥川龍之介 「松江印象記」
...この寄生的制度は永久に没却すべきである...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「結婚と恋愛」
...これ既に芸術の第一義を没却したるものなり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...個人を没却する大都会の生活は彼の心に染まなかったが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...書く小説も文章も皆笑い声の中に没却されてしまった...
田山花袋 「少女病」
...あるいはむしろ初から古今の区別が没却せられているように見えることすらもないではない...
津田左右吉 「日本上代史の研究に関する二、三の傾向について」
...そうでなければインテリゲンチャの特有な社会的役割は没却され...
戸坂潤 「科学論」
...自分の文章の特色を没却することを意味するのでは断じてない...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...人格ト権利ヲ没却セラレテモ...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は復た櫟林に没却して此の静かな村の空気を吸はねばならぬことになつた...
長塚節 「隣室の客」
...カフカがきわめて崇高な意味において尊重していた積極的な現世の力を没却するものである...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...理性を没却し常識に追放され...
牧野信一 「鱗雲」
...「頭の中へ持ち応えてゐる六ヶ敷い仕事!」も「愉快な韻文的空想!」も「架空の物語!」も「眼の前の細事は一切没却した広大無辺な無呵有の空に咽んでゐた筈の忘我の詩境!」も「ナンシー・リー」も「電話!」も「怖ろしい吹雪!」も「たゞ見る一面の雪景色!」も「……一気呵勢!」も...
牧野信一 「雪景色」
...漸く天下のことを没却して...
三好十郎 「斬られの仙太」
...漸く天下のことを没却して...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...ところが、古典平家やその他の諸本にも、彼のそうした半面は、ほとんど、没却されている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この事は個性の没却ではなくしてかえって個性の顕揚を意味する...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...この対立はやがて美術文芸の潮流の内に王朝の流風を追う表現法と極度に官能的要素を没却する表現法との対峙となって現われるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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