...あえてこれを没却して科学の国際性に眼を蔽うものの現われるに至ったのは...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...或は又個性及び個人の特長を没却するといふことでもない...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「婦人解放の悲劇」
...それ物象を明示するは詩興四分の三を没却するものなり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ここに選挙の真意義は全く没却さるるに至ったのである...
大隈重信 「選挙人に与う」
...個人を没却する大都会の生活は彼の心に染まなかったが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そうでなければインテリゲンチャの特有な社会的役割は没却され...
戸坂潤 「科学論」
...諸文化のジャーナリスティックな本性とが没却されて...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そして自我を没却するこの態度を押し進めてゆく時...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...人物の性格は殆ど没却されて単に傀儡となり...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...彼の長所を没却して...
中里介山 「大菩薩峠」
...然れども其効果の僅少なるが爲めに遂に人間至高の價値を没却すべからずいさゝかのことなりながら痒きとき身にしみて人の爪ぞうれしき健康者は常に健康者の心を以て心となす...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...しかも宰邑は世間に没却された山地で...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...俗務のために没却(ぼっきゃく)されない...
新渡戸稲造 「自警録」
...カフカがきわめて崇高な意味において尊重していた積極的な現世の力を没却するものである...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...ただ理屈のために文学を没却せらるること莫(なか)れ...
正岡子規 「俳諧大要」
...全然没却されてしまうものではない...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...誰にも省みられなくなった原因は特色の没却...
柳田國男 「書物を愛する道」
...ところが、古典平家やその他の諸本にも、彼のそうした半面は、ほとんど、没却されている...
吉川英治 「随筆 新平家」
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