...慟哭し絶叫するものと共に渾沌の間に昏迷してゐる間...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...また「天と地の未生以前に存在した渾沌たる組成のある物」...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...思想各方面とも渾沌として帰向するところをしらない...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...思想界は混沌として帰着するところを知らざるに至ったのである...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...しかしこの『破裂』ということばをなんと解釈したらいいのか? このあらゆるものが混沌(こんとん)としている中では...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...随て政界総体の前途も殆ど混沌として判別す可からざる如しと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...渾沌たる状態を呈している...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...渾沌とした幼児の煩雑な世話に...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...漢薬との混沌期であったらしく...
直木三十五 「死までを語る」
...独りわが現代文化の状況に至つてはその赴(おもむ)く処渾沌(こんとん)として捕捉しがたし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...世界が其の儘太古の混沌に還ったような...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...混沌としすぎている...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...彼が始めて「混沌時代」の扉を開いて...
牧野信一 「村のストア派」
...渾沌(こんとん)...
正岡子規 「墨汁一滴」
...頭の中は頗る混沌としてゐる...
森鴎外 「半日」
...この世の機構はそんなに混沌として乱脈ではない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ソクラテスの学説もまた同じように混沌としている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この地獄に似る混沌海の波を縫うて走る一道の光明は「道徳」である...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
便利!手書き漢字入力検索