...東西南北は一つの鉢(はち)の中ですりまぜたように渾沌(こんとん)としてしまった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...形は渾沌たるものではあったがとにかく物質的な材料があった...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...およそ事物は発生当時は渾沌(こんとん)として唯一である...
大隈重信 「日本の文明」
...春の到来は「混沌」から「宇宙」が創成されたように...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...天地の判るるに非ずして、混沌の判れて、天地となるなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...身心混沌として我と我を罵るのみ...
種田山頭火 「旅日記」
...あるものは混沌とした一般的なるものでしかない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...すなわち、自分が人間であって、ピアノの鍵盤でないということを、本当に確信するだろう! 諸君はことによったら、そんなものはみんな、混沌も、暗黒も、呪詛も、すべて表によって計算できるから、この予備的計算の可能ということだけでも、いっさいを阻止することができ、結局は理性の勝利に終わるだろう、などといわれるかもしれないが、――そうすれば、人間はわざと気ちがいになって、理性をもたないようにしてでも、自分の主張を貫徹するだろう! わたしはそれを信ずる...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「秩序の覆面を通して輝く渾沌の眼……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...破片となり塵芥(じんかい)となり渾沌(こんとん)たるものとなってしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...混沌の限りを極めている人々は...
中里介山 「大菩薩峠」
...この混沌(こんとん)たる有様(ありさま)のなかにも...
新渡戸稲造 「自警録」
...泡だたぬ波浪の混沌(カオス)で...
久生十蘭 「南極記」
...都会は意識せる力の混沌なのだ」……じっさい私たちの美の観念はいま急激に変革の過程をたどりつつある...
平林初之輔 「二つの文学論」
...混沌の讃美である...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...フォルキアデスそれはわたし達が混沌の娘だと云うことは確かです...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...やはりこの学術〔医学〕の他の方面に見られる混沌と不確実とを十分に持っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...混沌(こんとん)と...
吉川英治 「剣の四君子」
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