...」日頃、沈着な、謹み深いのがこれだから、余程周章(あわ)てたに違いない...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...沈着な警報をつづけた...
海野十三 「空襲下の日本」
...凶器(きょうき)を擬(ぎ)せられつつ沈着なる宿直員の観察(かんさつ)クルミさんは...
大阪圭吉 「香水紳士」
...殿下は傍に立つて、沈着な顏をして、手をうしろに組合せて、見守つてゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...その余りに沈着なる態度が...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...あんな沈着な処置をとれる鋭い頭の持主は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...意外にも沈着な体で...
久生十蘭 「海豹島」
...沈着な面(つら)だましいをした篁(たかむら)栄二郎以下六人の漁師たち...
久生十蘭 「地底獣国」
...小松ほどの沈着な男でもやはり取り乱すこともあるのだと思い...
久生十蘭 「ハムレット」
...一方沈着なところもある人物なのだから...
久生十蘭 「魔都」
...沈着な様子をして首を傾げた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...疾る党員達の心を圧鎮めるかのやうな沈着な羽ばたきと共に...
牧野信一 「南風譜」
...手紙にこもっている沈着な柔軟さには...
「今朝の雪」
...――伜(せがれ)だけは沈着な人間に育てよう...
山本周五郎 「百足ちがい」
...雑沓を分けていく個人個人に尖鋭(せんえい)な感覚と沈着な意志とがあって...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...すこし沈着な靜思を平常に持つてゐたなら...
吉川英治 「折々の記」
...かなり沈着な部将にしてさえ...
吉川英治 「私本太平記」
...夫人はほんとに沈着な立派な方でした...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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