...そしてその悲痛なる事実の奥底まで沈潜することによってのみ堪え得られる事実である...
種田山頭火 「赤い壺(三)」
...自己沈潜のためか...
種田山頭火 「一草庵日記」
...読書と思索とに沈潜したいのだけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...門外不出、自己に沈潜する...
種田山頭火 「其中日記」
...過去の生活の中に沈潜するを要するそれとが...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...再び出版界乃至読書界は社会機構の堅実な分析に沈潜し始めたわけだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...黙って自分の心に沈潜しながら酒を飲んでいても...
豊島与志雄 「運命のままに」
...しみじみ沈潜している瞬間にたいしてばかりである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...情意沈潜の時である...
豊島与志雄 「猫性」
...どう言ったらいいか……精力的な沈潜した悲哀……そんなものがあるとしたら...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...わび、すきというけれども、そのすべてが、重くるしいもの、無理なものをふり捨てて、みな深く切実な一心の集中によって、心の飾りをふり捨て、深い沈潜となり、人生の寂しいまでの奥底を見せることなのである...
中井正一 「美学入門」
...上州の片隅に勉学に沈潜する静謐(せいひつ)な世界が存在したとは...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...今は、この云われている押しというものは性質上、内向的なものであり、沈潜力の意味、自分の見きわめ方のギリギリ加減ということとしてわかり、そうすると、貴方の直感が健全なものにふれていることが、わかります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今漸々(ようよう)又自分でもやっと力の出し切れそうに思われる沈潜性が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いかにもその底に深い怨恨に燃え沈んだ野武士の霊魂が沈潜していそうに思われるほど...
室生犀星 「幼年時代」
...それは深い工夫であり沈潜であって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この底知れぬ深みに沈潜する意力を欠くものは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...沈潜の不足となって現われる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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