...沈んだ影がひそんでいて...
芥川龍之介 「邪宗門」
...沈んだ處のある女だ...
石川啄木 「鳥影」
...しばらく思いに沈んだ...
太宰治 「ろまん燈籠」
...その手は、着物は又沈んだ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...「あゝもう沈んだ!」「救(たす)けてやれ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...村が山に凭つたり渓に沈んだりしてゐる...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...大きな人生の波の中に浮いたり沈んだりする人間を書いただけだ...
田山録弥 「レイモンドの『農民』」
...西経二十五度の所で沈んだと云えと云った...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...私は幾度か夢想に沈んだ...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...黒灰の浦の船の沈んだ海面を日毎に出没して...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕はふたたび絶望の淵に沈んだ...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...頭が意に反してすっかりがくりと沈んだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...よほど深く沈んだとみえて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「ボクさん、あたし、毎朝、ここで待っていたのよ」ボクさんは、沈んだ眼つきで、じぶんの胸のへんを眺めながら、「……でも、ボク、出られませんでしたの」「まあ、どうして?」「……パパの手下(てした)が来て、ボクを連れてゆこうとするからって、ママ、ボクの部屋へ鍵をかけてしまいました」「そんなことでしたの? ちっとも知りませんでしたよ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...瓢箪形の歪(いびつ)になって、網は沈んだ...
火野葦平 「花と龍」
...暫くしてから海面の薄明りの中で己はエルリングの頭が浮び出てまた沈んだのを見た...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
...孝之助はやりきれないほど気が沈んだ...
山本周五郎 「竹柏記」
...時とすると更け沈んだ山全體が...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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