...また摩利信乃法師の沈んだ声がして...
芥川龍之介 「邪宗門」
...沈んだ顔色(かおいろ)をしているのだった...
芥川龍之介 「将軍」
...それでも一度沈んだ気は...
芥川龍之介 「毛利先生」
...沈んだ声で断った...
太宰治 「花火」
...例の美しい八町の杉並木は沈んだやうな暗緑色を刷いて連なつてゐる塔ヶ島の蔭になつてゐるその邊は水の色も日光を反射しないので硫酸銅のやうな美しい紫色を湛へてゐる...
近松秋江 「箱根の山々」
...それでも爺さんは海に沈んだ船長さんはじめ大ぜいの仲間たちのことを考えると...
塚原健二郎 「海からきた卵」
...貧苦に沈んだ暗い声ではなくて勢いのある猛獣の吼声のようである...
寺田寅彦 「嵐」
...水底深く沈んだ柄杓は中々上ろうともしない...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼は沈んだ声で云った...
豊島与志雄 「野ざらし」
...聖者の最期(さいご)を彩る荘厳(そうごん)に沈んだ山と...
中里介山 「大菩薩峠」
...上眼使いに妙に沈んだ調子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...海面に落ちて沈んだ...
火野葦平 「花と龍」
...」と沈んだ大きな目で湯村を見る...
眞山青果 「茗荷畠」
...変に沈んだ声でしたよ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...」と考え沈んだとき...
室生犀星 「香爐を盗む」
...その制度の勃興と共に工藝の美は急速に沈んだ...
柳宗悦 「工藝の道」
...働きが報いなき苦痛に沈んだのは...
柳宗悦 「民藝四十年」
...これ限(き)りおめにかからないことにしますわ」「もう私に飽きたというわけか」「いじ悪なことを仰(おっ)しゃるからよ」とおよねは沈んだ声で云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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