...氷峰も沈んだ調子で...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あまたの生物とともに海底に沈んだという史実をおもい起こさねばならぬ」「なんじゃ...
海野十三 「海底大陸」
...先刻(さっき)男湯で沈んだお客の体が見つかったとき...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...沈んだ日夜を見守る女なのだつたら...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...静(じ)っと沈黙したまま思案に沈んだ...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...じっと夢想に沈んだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...悉く失意の淵に沈んだ...
永井荷風 「西瓜」
...男は女の肩の上に顔を押当て唯(ただ)ただ声を呑(の)んで泣沈んだらしい様子である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...わざと沈んだ調子になり...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...煙が棚引(たなび)いている」沈んだ声で後ろから言い出したのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼を醒(さま)す刺激の底に何所か沈んだ調子のあるのを嬉(うれ)しく思いながら...
夏目漱石 「それから」
...又半ば以上水中に沈んだフイレーの神祠であつた...
濱田耕作 「埃及雜記」
...はじめて冬亭の書斎で逢ったとき、ひきつめにして、薄紅い玉の簪をしていたが、その玉は、なにか途方もないものらしく、深く沈んだ光が、冬木の眼をうってやまなかった...
久生十蘭 「西林図」
...沈んだ昂奮のために前のめりになり...
室生犀星 「三階の家」
...沈んだ感じの娘で...
山本周五郎 「山彦乙女」
...そのまま月の沈んだ薄あかりの道をスタスタと町の方へ急いだ...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...谷底の川の表面は氷の解けた流れだけ薄黒く沈んだ色を残し...
横光利一 「旅愁」
...子龍は、沈んだ顔をして、「実は、それがしは、ご存じの如く、袁紹(えんしょう)の旗下(きか)にいた者ですが、袁紹が洛陽以来の仕方を見るに、不徳な行為が多いので、ひるがえって、公孫(こうそんさん)こそは、民を安める英君ならんと、身を寄せた次第です...
吉川英治 「三国志」
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