...初めは微酔気味(ほろよいぎみ)であったのが段々真剣になって低い沈んだ調子でポツリポツリと話すのが淋しい秋の寂寞(せきばく)に浸(し)み入るような気がして...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...と、彼の身体が水の中にもぐるような恰好で、すとんと沈んだ...
海野十三 「空中漂流一週間」
...私は湯槽のふちに腰かけながら生きた氣もせず思ひに沈んだ...
太宰治 「思ひ出」
...私はちょうど移りゆく四囲の自然と同じように沈んだ心持に胸を鎖(とざ)されていた...
近松秋江 「狂乱」
...それは非常に沈んだ抑えつけられた声なので...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...静(じ)っと沈黙したまま思案に沈んだ...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...」お銀は沈んだような調子で言った...
徳田秋声 「黴」
...心気落ち沈んだまじまじとした気持で...
豊島与志雄 「話の屑籠」
...暫らく水に沈んだやうでしたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...沈んだ顔をしていたが...
久生十蘭 「春雪」
...彼女はそういう私の沈んだ様子をしばらくは唯もじもじしながら見守っていたが...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...僕でも答えられますよ」「まさに同様にカラバ島の爆発でサンタナ島が沈んだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...摩違(すれちが)ひざまに沈んだ目で車を見上げて過ぎた...
眞山青果 「茗荷畠」
...されば竜宮に永年積んだ財宝は無量で壇の浦に沈んだ多くの佳嬪らが竜王に寵せられて竜種改良と来るから...
南方熊楠 「十二支考」
...れいの沈んだ声で...
室生犀星 「幻影の都市」
...その制度の勃興と共に工藝の美は急速に沈んだ...
柳宗悦 「工藝の道」
...いま日が沈んだところらしく...
山本周五郎 「竹柏記」
...暖炉の沈んだ大理石...
横光利一 「上海」
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