...倒(さかさま)に海の深みへ沈めます...
泉鏡花 「歌行燈」
...くわしくさしずをしたうえ潜航艇を沈めることになりました...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...「いゝえ誰も居りはしませぬ」と春三郎は漸く答へて續いて何とか言つて文太郎の心を沈め度いと思つたが適當な言葉が見出せなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...一触(いっしょく)してタイタニックを沈めた氷山である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...琵琶湖(びわこ)に捧げて沈めることにしよう...
豊島与志雄 「長彦と丸彦」
...うち沈められたる祖国も...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あのように疑いを知らぬ人の子を長く迷惑の谷に沈めて置くというのは忍びないことでございます――白骨を無事に立ったとはいうものの...
中里介山 「大菩薩峠」
...釣鐘の花の沈める様を織るときは...
夏目漱石 「薤露行」
...ランスロットの何の思案に沈めるかは知らず...
夏目漱石 「薤露行」
...水の底に沈められたこの水草は...
夏目漱石 「草枕」
...その中に沈められて居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身を沈めて格子の穴を潜り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...身を沈めてこそ浮ぶ瀬もあれ...
林芙美子 「あひびき」
...武田博士の潜水艦を一隻でも沈めてやれば...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...いかにそこは諸諸のものが棄てられ沈められることであったろう...
室生犀星 「幻影の都市」
...なんども、高時の床几を拝して、「かたじけのう存じまする」と、身を沈める...
吉川英治 「私本太平記」
...酒気を沈めている彼等は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...寂しい夕暮を守る一つの灯の下に、彼のはいって来たのも知らずに、畳に顔を沈めて、泣き伏している花世の傷(いた)ましい姿だけがあった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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