...君は著者は無意識の偉大や碎けたる心や自己沈潛を説く人だが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...大野は軍人のやうな直立の姿勢に直り、右の手を横顏のところまであげ、ゆツくりした、低い、沈んだ調子で、同じく、「失敬」と云つて、靴の底で少しつま立つと同時に、首を前方へ傾けた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...わたしは沈思の中(うち)から醒覚しました...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「尼」
...時々低い沈着(おちつ)いた透徹(すきとお)るような声でプツリと止(とど)めを刺(さ)すような警句を吐いてはニヤリと笑った...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...海へ沈んで行った...
梅崎春生 「狂い凧」
...よくもまア沈没したものです...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...その軍艦に雨下命中(うかめいちゅう)するといえども絶対に沈まない軍艦を御建造願いたいのであります...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...どことなく元氣も銷沈してゐるのを氣にして...
高濱虚子 「續俳諧師」
...油の波の中に浮き沈みした...
田中貢太郎 「続黄梁」
...幻の人物数人深い水底に沈んだ様な感じだった...
豊島与志雄 「蘇生」
...一寸沈黙が落ちてきた時...
豊島与志雄 「月かげ」
...彼はだんだん深く沈みながら...
豊島与志雄 「魔法探し」
...併し思ひなしかひどく沈んでるので私は気が気でなく...
中勘助 「銀の匙」
...尻の下で椅子がだしぬけにグッと沈み...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...戻って来てすっぽりと椅子の中に沈み込み...
久生十蘭 「魔都」
...課長! お解りになりませんか?』ジュズイ氏はしばらく沈黙した...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...だまり返って腕組みをしたまま考えに沈んで居た...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...驚いて身をすくめるのでたちまち水に沈む...
柳田国男 「海上の道」
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