...僕は決してかう云ふ町裏を徘徊(はいくわい)する気にはならなかつたであらう...
芥川龍之介 「本所両国」
...利他的道徳を国民に強要する彼ら自身が国民に対して利他を実行することは決してないのである...
伊丹万作 「政治に関する随想」
...決して細君以外に關係したことがない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...決して人を外(そ)らさなかった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...決して「日記帳の中を開けて見たりなんかしたことはない」どころではない...
谷崎潤一郎 「鍵」
...決して愉快なものではなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...……有名な文士や画家は決して...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「天才」
...決して解けないのだ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...統治の委任権を彼は決して自ら自分に与えはしなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...左様な僅かばかりの条件によつて直接に決定されるものでは決してないのである...
平林初之輔 「文学方法論」
...「そう仰せられるのを伺いますと何とのう、この世が侘(わび)しゅうもなりますが、しかし浮世と申せば、よろず、止むを得ぬ儀とも思われますな」と、雪之丞、しんみりいって、相手を見上げると、「心弱うては、此(こ)の世界では、乞(こつ)じきに、身を落すほかはない――それにしても、太夫、よいことを耳に入れてくれましたな、このことは、長崎屋には、当分のあいだ、耳に入れぬよう頼みますぞ」「あなたさまが、そう仰せあそばせば、決して、どなたの前でも、歯から外に洩らすことではござりませぬ」「折角、そなたの話もあったゆえ、わしも性根を据えて、ここらで、ずんとひとつ考えて見ねばならぬ」と、広海屋は、思い入ったようにいったが、ふっと、気がついたように、腕組をほどいて、「さて、では、心置きのう、杯をすごして貰おうか――わしも、久しぶりで、何かこう大きな山にさしかかった気がして、心がいさんでまいったようだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...全然乱雑なものでは決してなかった...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...謂ゆる支那流の粗食は栄養学上より見て決して粗食で無く...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...決して容易ではない...
吉川英治 「上杉謙信」
...自分の精神も決して自分だけの意力だけでうごいてゐるものでないことが感じられよう...
吉川英治 「折々の記」
...山には、無言の樹と霧と闇しかないが、そこにいた一人の沢庵という人は、決して、皮膚の外の人ではなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お通は、城太郎の勢いにつり込まれたので仕方がないにしても、城太郎が一歩を誤った禍(わざわ)いは、決して、この時、彼女がまたしても武蔵と行き会えなかったという遺憾ばかりには止(とど)まらない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その事情は決して変化しなくとも...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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