...其心、夜に似て暗憺、いひしらず、汚れにたれど、また一種の美、たとへば、濁江の底なる眼、哀憐悔恨の凄光を放つが如きもの無きにしもあらず...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...」と極(きま)つたやうに汚れたカルテへ間違だらけの独逸語を走り書する...
薄田泣菫 「茶話」
...我々は汚れた身なりの子どもたちをかき分け...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その薄汚れたショーウィンドーの中には...
外村繁 「落日の光景」
...汚れた芋俵を抱えていた彼女...
豊島与志雄 「塩花」
...」「わが心は汚れている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...たとえ身体は汚れていようとも...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...淺黄(あさぎ)の手拭の申分なく汚れたのがブラ下り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少々汚れたお仕着せの名刺を取出しました...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...汚れた紺飛白を着て...
林芙美子 「子供たち」
...私の本能なんてこんなに汚れたものではないのです...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ドロドロに汚れた労働者が馳け込むように這入って来て...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そしてしまひにはその汚れたテイブルが...
堀辰雄 「不器用な天使」
...その手拭がひどく汚れてゐて...
水野仙子 「道」
...古び汚れたビロオドの洋袴を穿いたのなどを見ると漫畫のやうな趣致を感じるが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...汚れた布団を敷いたように...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...白い汚れ色の、砕けた粒を粉にして服用させられたのには閉口したが、私に好奇心を抱かせたのは父が紙に書いた「苡仁」の三字で、父に尋ねるとこれはヨクイニンとよむので、おまえらが毎年採って来るズズ玉の皮をとったものであると教えてくれた...
柳田国男 「故郷七十年」
...涙に汚れた顔をゴシゴシと拭い初めた...
夢野久作 「冥土行進曲」
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