...どろりとした汚ない惡水が...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...貧乏人の娘が汚ない扮装(なり)をして怯(お)めず臆せず平気な顔をしているのを虚栄に俘(とら)われない天真爛漫と解釈したり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ランプを置いた小汚ない本箱の外には装飾らしい装飾は一つもなく...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...汚ない醜(みにく)い近づくべからざる現象を示していると思うこともある...
田山花袋 「田舎教師」
...仲間の者らの汚ない不品行や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...薄汚ない長い顔には...
中島敦 「虎狩」
...」「ごらんじゃい、まあ! あんまり乱暴におはなし遊ばすので、このお娘(こ)が、はは様のお顔を、びっくりしてごろうじる――」まったくわたしは吃驚(びっくり)して! 母などとは、きくもいまわしい、汚ない、黒いダブダブ女を(みつ)めていた...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...汚ない子供達がかたまつて煙草を吸つてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...私は土地会社の周旋で中野駅附近の汚ないアパートの一室を貸りたのだが...
原民喜 「二つの死」
...とっても汚ないものだと思うの...
久生十蘭 「喪服」
...ソンナ事は少しも汚ないと思わなかった...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その人の如何にかかはらず余り汚ない手は打たないのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...舌が長過て涎(よだれ)のたれさうな薄汚ないぢいさんの顏を思ひ出して胸が惡くなつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...かれはこの巷に於けるさまざまな汚ない酒場やカフェ...
室生犀星 「幻影の都市」
...なぜか混線された家並や道路や荷車や小汚ない通行人や溝や柳や一品洋食店などが...
室生犀星 「星より來れる者」
...できるだけ汚ない風態をするのが自慢だったから...
山本周五郎 「青べか物語」
...うす汚ない、ごろつきふうで、一人は巨漢、一人は痩(や)せて小さな男であった...
山本周五郎 「風流太平記」
...朽葉色(くちばいろ)の汚ない法衣(ころも)は...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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