...この汐(しお)に...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...大河(おおかわ)の汐(しお)に引かれたらしく...
泉鏡花 「歌行燈」
...新橋(しんばし)駅(今の汐留(しおどめ))へ迎いに行ったら...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...一直線の堀割(ほりわり)はこゝも同じやうに引汐(ひきしほ)の汚(きたな)い水底(みなそこ)を見せてゐたが...
永井荷風 「すみだ川」
...この潮時を別当汐(べっとうじお)と名づけるようになったという話がある」お前たちより犬の方が思慮もあり...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等は汲みいれた汐を車に載せて...
野口米次郎 「能楽論」
...車に月を載せて憂しとおもはぬ汐路かなや』とあつて...
野口米次郎 「能楽論」
...「引き汐だよ」「?」「鉄砲には反動がある...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...時々田端の駅を通過する電車や汽車の音が汐鳴りのように聞える丈で...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...渝(かは)らぬ契(ちぎ)りの誰(た)れなれや千年(せんねん)の松風(しようふう)颯々(さつ/\)として血汐(ちしほ)は殘(のこ)らぬ草葉(くさば)の緑(みどり)と枯(か)れわたる霜(しも)の色(いろ)かなしく照(て)らし出(い)だす月(つき)一片(いつぺん)何(なん)の恨(うら)みや吊(とぶら)ふらん此處(こゝ)鴛鴦(ゑんあう)の塚(つか)の上(うへ)に...
樋口一葉 「別れ霜」
...「四谷区の大木戸からビールの空き瓶を汐留駅まで運んでゆく途中...
平林初之輔 「鉄の規律」
...終に紅い血汐(ちしお)が塗られた...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...汐(しお)は鈍く緩く...
森鴎外 「沈黙の塔」
...貫之(つらゆき)の歌に汐越ゆる越の水海とあるのはこれかと言った人もある(遊嚢記(ゆうのうしょうき)巻二十四)...
柳田國男 「地名の研究」
...汐風(しおかぜ)や陽やけのためではなく...
山本周五郎 「さぶ」
...「――三月の大汐のときだったな」「川崎の大師からまわったんだ」と云って栄二はさぶに振り向いた...
山本周五郎 「さぶ」
...汐止の堀端で、兵庫介に眼をやられたとき、船頭たちは船の上から眺めていた、と六郎兵衛は思った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...汐留川(しおどめがわ)が前だった...
吉川英治 「松のや露八」
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