...こゝに西瓜の血汐を酌める...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...また川口の汐加減(しおかげん)...
泉鏡花 「歌行燈」
...うしろには浅い汐入りの川が流れてい...
上村松園 「謡曲仕舞など」
...大日本主義!朝曇りのボロ船が動かない汐風を運ばれる鰒がふくれてゐるきたない水がぬくうて葦の芽・鉄板をたゝいても唄うたつてゐる警察署の無花果の芽・帆柱ばつかりさうして煙突ばつかり(若松から八幡へ)竹藪あかるう子供もできた(小城氏新居)あかるく竹がそよいでゐる四月廿三日雨...
種田山頭火 「行乞記」
...汐干や初汐などは考へ方によつては寧ろ天文だとも云はゞ云はれなくはない...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...堀割(ほりわり)は丁度(ちやうど)真昼(まひる)の引汐(ひきしほ)で真黒(まつくろ)な汚(きた)ない泥土(でいど)の底(そこ)を見せてゐる上に...
永井荷風 「すみだ川」
...槍創(やりきず)から吹き出す血汐(ちしお)を押え...
中里介山 「大菩薩峠」
......
野口雨情 「朝おき雀」
...彼等は『羨ましくも澄む月の出汐をいざや汲まうよ』と渚に近寄る...
野口米次郎 「能楽論」
...かう血汐(ちしほ)に汚れては見る影もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「昨夜の上汐(あげしほ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...上汐を見るふりで眼の上に翳(かざ)した手の間からまじまじとそのさむらいを眺めていたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...波蘭王麾下の貴族たちに血汐の酒の大盤振舞をやつたペレシュリャーイが原から...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...急に汐がひくように空ろになる自分の心を感じていた...
山川方夫 「その一年」
...色こそ汐(しお)やけで黒いが...
山本周五郎 「青べか物語」
...庭には点々と血汐の痕(あと)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...乱松(らんしょう)の間から高く聳(そび)えているのは汐見櫓(しおみやぐら)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...春風(しゅんぷう)烈霜(れっそう)一汐留川(しおどめがわ)の地先に新造船の安宅丸(あたかまる)が...
吉川英治 「柳生月影抄」
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