...小夜(さよ)の中山にさしかかった頃から豪雨となって途中の菊川も氾濫(はんらん)し濁流は橋をゆるがし道を越え...
太宰治 「新釈諸国噺」
...散歩の時に覚えのある田中の小川が氾濫していて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...なるほどこれではジャーナリズムが世界に氾濫(はんらん)するのも当然だという気がしないではいられなかった...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...しかれどもいったん水勢の激昂氾濫(はんらん)するときにおいて...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...街頭至る処に所狭いまでに氾濫している千人針婦人...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...読者大衆の中に氾濫して行きつつある...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...絢爛(けんらん)目を奪う美しさの氾濫(はんらん)である...
野村胡堂 「楽聖物語」
...悲しみの氾濫、何か正しい生活にありつきたい...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...ささえきれなくなって川は氾濫(はんらん)した...
本庄陸男 「石狩川」
...空虚な過剰な意識の氾濫交錯する遊び場であるのは事の自然であらうから...
三好達治 「銀座街頭」
...平野に氾濫(はんらん)し...
矢部貞治 「政治学入門」
...世界中に精神異状者の氾濫が起るかも知れない事実が想像され得るのでありますが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一種の国産品の大量生産……それが現在の大衆読物の氾濫ではあるまいか...
夢野久作 「路傍の木乃伊」
...しかもその国産品の氾濫も最早(もはや)...
夢野久作 「路傍の木乃伊」
...――こいつあ近頃の失策だったよ」賊の李朱氾(りしゅはん)は...
吉川英治 「三国志」
...そう罵(ののし)っていた李朱氾の体は...
吉川英治 「三国志」
...氾濫(はんらん)したと伝えられた...
吉川英治 「新書太閤記」
...やがてこっちの縄内(なわうち)まで氾濫(はんらん)して来た...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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