...氷のような冷たい風がぴゅうぴゅう吹き荒(すさ)んでいるのです...
芥川龍之介 「杜子春」
...同時に浮標(うき)の付いた配縄(はいなわ)の一端が氷のような波の中にざぶんざぶんと投げこまれる...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...それはびっくりするほど冷たい氷のような手であった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...氷のような冷さが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...氷のような貞潔で満たされていたから...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...西の方の獅子宮には白く大きな木星が屋根越しに氷のような光を投げていた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...あの不恰好な不自然な元気のいい足どりを注意し給え……それにあの氷のような顔を見てみ給え――彼はあらゆる場所で...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...その氷のような手で私をゆさぶる...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...その手首には氷のような白刃(しらは)が握られてありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...澄み切った氷のような空気を息を細めてそっと呼吸しながら...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...氷のような恐怖へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...氷のような月光が独り地上を照らしている...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...すこしばかり硅素を含んだ氷のような水が...
久生十蘭 「地底獣国」
...冗談はおいて、この文学的言語で、手っ取り早く浅薄に感情を片付けてしまうという奴は、氷のような、また癪(しゃく)にさわるほど僭越(せんえつ)なわけのものですね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...いつの間にか氷のような冷静さに帰っていた...
夢野久作 「継子」
...白いその素足が氷のような板の間をすべってゆく...
吉川英治 「江戸三国志」
...緊張していた氷のような空気にひびいて...
吉川英治 「私本太平記」
...氷のような団長ですら...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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