...帆の中より、水際立って、美しく水浅葱(みずあさぎ)に朝露置いた大輪(おおりん)の花一輪、白砂の清き浜に、台(うてな)や開くと、裳(もすそ)を捌(さば)いて衝(つ)と下り立った、洋装したる一人の婦人...
泉鏡花 「悪獣篇」
...「あの砂埃(すなほこり)の中を水際立って...
泉鏡花 「婦系図」
...水際立ってはらりと取った...
泉鏡花 「婦系図」
...流石に水際立っている」「だが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...それでも水際立って一流の芸術家だったお兄さん...
太宰治 「兄たち」
...われ/\と同じ色の皮膚を持った彼等が一見似合いそうにもない武家時代の派手な衣裳を着けた時に如何にその容色が水際立って見えるかと云う一事である...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...仁科博士の文章は水際立っているようだ...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...水際立って目につくような...
豊島与志雄 「紫の壜」
...丹波丹六の躍進も水際立っておりました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...商売柄身のこなしの鮮やかな水際立って美しい女です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かつて先代林家正蔵(七代目)は圓朝門下の大才圓喬のこのくだりのあまりにも水際立っていた点を極力私にたたえて聞かせ...
正岡容 「我が圓朝研究」
...稽古のつけかたもきびしく水際立っていたし...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...その的確さと鋭さは水際立っていた...
山本周五郎 「花も刀も」
...槍を持ち直してからのすばやさは水際立っていた...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...どうもお手際が生徒さん達よりも水際立っているようです...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...水際立って見えた...
吉川英治 「私本太平記」
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