...泥沼(どろぬま)の中からぬるりと頭を出す水の精のように...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...ウォールデンの水の精がこんな比喩をゆるしてくれるなら――小唄のひと節をうたおうとしているわけだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...中に青牛ありしと見え、『白沢図』には、木之精名二彭候一、状如二里狗一無レ尾、可二烹而食一レ之、とあり、亦た『元中記』にも、千歳樹精為二青羊一、万歳樹精為二青牛一、多出二遊人間一、漢桓帝時出遊二河上一、忽見二一青牛一、従二河中一出直走盪、桓帝辺人皆驚走、大尉何公時為二殿中将軍一、有二勇力一、輙走逆レ之、牛見二公往一乃走還レ河、未レ至何公及レ牛、乃以レ手抜二牛左足一脱、以二右手一持レ斧、斫二牛頭一而殺レ之、此青牛是万年木精也、とあり、其他玉の精、金の精、山の精を記し『白沢図』にもまた、水の精を説き、火の精を説き、故井の精を説き、故門の精を説き、其他の種々の精の名を挙ぐること、甚だ詳なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...ひとり旅して、菅笠(すげがさ)には、同行二人と細くしたためて、私と、それからもう一人、道づれの、その、同行の相手は、姿見えぬ人、うなだれつつ、わが背後にしずかにつきしたがえるもの、水の精、嫋々(じょうじょう)の影、唇赤き少年か、鼠いろの明石(あかし)着たる四十のマダムか、レモン石鹸にて全身の油を洗い流して清浄の、やわらかき乙女か、誰と指呼(しこ)できぬながらも、やさしきもの、同行二人、わが身に病いさえなかったなら、とうの昔、よき音(ね)の鈴もちて曰(いわ)くありげの青年巡礼、かたちだけでも清らに澄まして、まず、誰さん、某さん、おいとま乞いにお宅の庭さきに立ちて、ちりりんと鈴の音にさえわが千万無量のかなしみこめて、庭に茂れる一木一草、これが今生(こんじょう)の見納め、断絶の思いくるしく、泣き泣き巡礼、秋風と共に旅立ち、いずれは旅の土に埋められるおのが果なきさだめ、手にとるように、ありありと、判って居ります...
太宰治 「二十世紀旗手」
...水の精みたいな姿で立つてゐる...
太宰治 「富嶽百景」
...湖水の精のあの花だったから――...
谷譲次 「踊る地平線」
...『ルサールカ』(訳注 『水の精』――プーシキンの物語詩...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...それは書物にあった森の精や水の精や花の精達だと覚(さと)って...
豊島与志雄 「魔法探し」
...水の精から銀の魚をもらったことだの...
豊島与志雄 「夢の卵」
...水の精達が遊びたわむれる河の淵(ふち)をも見ました...
豊島与志雄 「夢の卵」
...意地悪な水の精等も寝床をうろつきまはつてゐる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...化けそこなった水の精のように...
久生十蘭 「肌色の月」
...果てはうち悦べる水の精などの楽しげなる舞踏にも例へませうか...
牧野信一 「青白き公園」
...今迄姿を表さなかった娘が門の前へ淋しい水の精かなぞのように立っているのが分った...
松永延造 「職工と微笑」
...螢は奇麗な水の精とも謂ツて可(よ)いのだから...
三島霜川 「水郷」
...孔子見て曰く水の精は玉...
南方熊楠 「十二支考」
...水の精 ウンデネ うねれ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...もしくは水の精を聟(むこ)に儲(もう)けたと謂(い)って...
柳田国男 「木綿以前の事」
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