...「来たぞや、来たぞや、」「今は早や、気随、気ままになるのじゃに...
泉鏡花 「悪獣篇」
...淡島屋の妻たるおくみは男勝(まさ)りの利(き)かぬ気であったから椿岳の放縦気随に慊(あきた)らないで自然段々と疎々(うとうと)しくなり...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...おのづから気随におひたてり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...その上にこの女は弟と二人ぎりの気随気儘の暮しをしていて...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ながく延び切つた楚(ずわえ)の若々しい気随さ...
薄田泣菫 「独楽園」
...もし春琴が今少し如才(じょさい)なく人に謙(へりくだ)ることを知っていたなら大いにその名が顕(あら)われたであろうに富貴(ふうき)に育って生計の苦難を解せず気随気儘(きずいきまま)に振舞(ふるま)ったために世間から敬遠され...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...一層嫁の気随気儘(きずいきまま)が募(つの)るであらうし...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それと聞いて何という気随な横着な女だろうと呆(あき)れながら...
近松秋江 「うつり香」
...家屋の建築は設計者の気随になる...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...乃公(おれ)は気随気儘の身になつた...
永井荷風 「虫干」
...家(いえ)にのみ引籠(ひきこも)れば気随気儘(きずいきまま)の空想も門外世上の声に妨げ覚(さ)まさるる事なければ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...我儘気随に暮して居る浪人...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気儘(きまま)気随の療養生活を送り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夫(おっと)の家に行て心ず気随にて夫に疏(うとま)れ...
福沢諭吉 「女大学評論」
...気随ならしむ可らずとは...
福沢諭吉 「女大学評論」
...処女の方は気随気ままの振舞ができるし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...若殿の気随気ままに唯々(いい)として引かれたのでは...
吉川英治 「私本太平記」
...わがまま気随(きずい)にしておいたのが悪かった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索