...若奥さんは下部屋(しもべや)からちょうど呉媽を引張り出して来たところで「お前はよそから来た者だ……自分の部屋に引込んでいてはいけない……」鄒七嫂も側(そば)から口を出し「誰だってお前の潔白を知らない者はありません……決して気短なことをしてはいけません」といった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...気短な奴は、私の指に食ひついたり、細い毛脛でもつて私の額を蹴飛ばしたりしました...
薄田泣菫 「草の親しみ」
...慾も徳も考えない気短な...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...何か余程気短な感動といふやうなものばかりを期待し過ぎてゐたとでも云ふのであつたらう――おそらく長い間のいばらの道を通りつゞけて来た此素朴純粋なる作家の幸福を祈らうとするおもひが一杯であつたにも係はらず...
牧野信一 「痩身記」
...気短なお母さんは...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...たださえ気短な江戸生れ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...尚侍が失心したようになっているのであるから、大臣ほどの貴人であれば、娘が恥に堪えぬ気がするであろうという上品な遠慮がなければならないのであるが、そんな思いやりもなく、気短な、落ち着きのない大臣は、自身で紙を手で拾った時に几帳の隙(すき)から、なよなよとした姿で、罪を犯している者らしく隠れようともせず、のんびりと横になっている男も見た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お気短な」法師は動じもしない...
吉川英治 「私本太平記」
...気短な」と高氏は笑って見せた...
吉川英治 「私本太平記」
...腹掻ッ切って相果てましてござりまする」「さても気短な...
吉川英治 「私本太平記」
...羞恥もゆるしておかない気短なあらあらしい動作は...
吉川英治 「私本太平記」
...その気短な死に方は...
吉川英治 「私本太平記」
...その気短な吩咐(いいつけ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
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