...案外気楽なものであった...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...それにお遊さんは望まれて行ったくらいでござりますから姑(しゅうとめ)にも御亭主にもたいへん大事にされまして実家にいましたときよりもずっと我がままにのんびりとくらしておりましたので後家になりましてからもときおり大勢の女中をつれて物見遊山(ものみゆさん)に出かけていくという風でそういう贅沢(ぜいたく)は自由に出来たのだそうにござりますからはたから見ればまことに気楽な境涯なのでござりまして...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...一つ体を沈めてしまう気になれア、気楽なもんでさ...
徳田秋声 「新世帯」
...どうかなりますわ」「そんな気楽なことを言っていちゃ困るじゃないか」そこにおひろもいて...
徳田秋声 「挿話」
...「これから六月までは一番気楽な時ですね...
夏目漱石 「こころ」
...君演説をやってる間は苦しいかなどと気楽な質問をする...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...「じゃ延子さんは気楽でないの」自分だって気楽な癖にと云わんばかりの語気のうちには...
夏目漱石 「明暗」
...「いずれ果し合いとか、山賊退治とか、これに就(つい)ては面白いお話が御座いましょう、お差支(さしつかえ)が無かったら、お聞かせ下さいませ」「ついぞ人に話した事も無いが、今ではもう言ってしまっても差支はあるまい、実は斯(こ)うしたわけ――」原口作左衛門、気楽な心持で、ツイすらすらと口を滑らしてしまいました...
野村胡堂 「禁断の死針」
...世捨人らしい気楽なところでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気楽な世渡りをしてゆくより道はないと悟つた...
林芙美子 「浮雲」
...気楽な芸人根性丸出しだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...その過剰人口に対するこんな気楽な避難所をもつということは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...いちばん気楽な仕事であつた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...源氏はあの気楽な自由な気持ちを与えてくれた恋人ばかりが追慕されるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...気楽な場所へ行ってしまいたくなったのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...3490わたくしあなたにお縋(すがり)申していると、気楽な、体をお任(まか)せ申しているような温い心持なのに、あの方がいらっしゃると吭(のど)を締められるようですの...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...まだまだ独り身が気楽なのだ――とは...
吉川英治 「親鸞」
...至って気楽な世間ばなしなどである...
吉川英治 「源頼朝」
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