...それで日本人の考えに文学というものはまことに気楽なもののように思われている...
内村鑑三 「後世への最大遺物」
...今日は少し気楽な贅沢が為て見たくなって...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...どうかなりますわ」「そんな気楽なことを言っていちゃ困るじゃないか」そこにおひろもいて...
徳田秋声 「挿話」
...これらの用のない、気楽な、気のいい人たちはつねづねいやになるほどきかされてる「□さ」とはどんな子かしらといふ多少の好奇心をもつてやつてきたのだが、その評判の「□さ」もやつぱりあたりまいの子供であるのをみ、親切にもまた家へとつてかへして砂糖をたつぷり入れたもろこしせん餅の火にあぶればくるくるねぢくれて手におへないやつを沢山もつてきて焼いてくれた...
中勘助 「銀の匙」
...「おや気楽な人だ事...
夏目漱石 「虞美人草」
...一日(いちにち)も早く君に独立して貰(もら)ひたいでせうがね」「左様(さう)かも知れませんな」「君は余つ程気楽な性分(しやうぶん)と見える...
夏目漱石 「それから」
...この痛切な二十世紀にそんな気楽な事が云っていられるものか...
夏目漱石 「野分」
...随分(ずいぶん)気楽な宿直がいるものだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...なんという気楽な人だろうとも思った...
夏目漱石 「明暗」
...「じゃ延子さんは気楽でないの」自分だって気楽な癖にと云わんばかりの語気のうちには...
夏目漱石 「明暗」
...どっちも意地っ張りだから」「そんな気楽な話じゃありませんよ」「まアまアどうぞ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誠に安心気楽なものです...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...源氏はあの気楽な自由な気持ちを与えてくれた恋人ばかりが追慕されるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...気楽な問題を考えた...
森鴎外 「雁」
...厚播(あつま)きも薄播きもあるのに気楽な話のようだが...
柳田國男 「地名の研究」
...こんな気楽なまた自由なことは無いようなものだが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...いっそ気楽な生涯を送るほうがいい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そのほうは、気楽な雑物で、問屋へ持って行って金に代えるだけの仕事である...
吉川英治 「銀河まつり」
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