...冬の光は冲天に流れて池面は数日来じめじめ淀んでゐるアカホの木は一つ古木ゆゑに杖のやうに気根をたよりその南の枝に烏は一羽 未だ地上に達しない光を貪ってゐる烏は ただ 黙々と村人たちの悲しい迷信の上に不可思議な運命をまじなひ樹下にたじろぐ二人三人の村人は木梢にうそぶく彼の運命の声に胸をおさへてゐるこのアカホの木に烏がなけば...
泉芳朗 「アカホの木」
...『美少年録』でも『侠客伝』でも皆謄写した気根の強い筆豆(ふでまめ)の人であったから...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...その気根の大なるは東西古今に倫(りん)を絶しておる...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...意気も気根も文章も少しも衰えていない...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...アレだけの著述をした上にこれだけの丹念な日記を毎日怠らず附けた気根の強さ加減は驚くに余りある...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...気根(きこん)が続かなくつて...
薄田泣菫 「茶話」
...気根比べにはわしが勝ったのじゃ...
中里介山 「法然行伝」
...巨幹と数知れぬ其の従者共(気根)とは...
中島敦 「光と風と夢」
...この種の邪教的な気根の持主らしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの年でたいした気根(きこん)だ...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...つまりこれは気根の一種であろう...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...では青年はなぜ俳句に気根を持つて集らぬか...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...ひげのように気根を垂れていて...
山之口貘 「暴風への郷愁」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...精も気根も尽き果てた体で謡本(うたいほん)の前に両手を突いて...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...体は疲れ気根は衰え...
吉川英治 「三国志」
...人の気根もつづく程こそ有るべけれ...
吉川英治 「新書太閤記」
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