...えらい人のいない気安さから向かいの店のうなどんなどをかけてトランプのバクチをやる...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...不意に肩の荷が除かれたような気安さを与えないでもなかった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...見得を張らないで済む気安さ...
種田山頭火 「旅日記」
...安宿の気安さ...
種田山頭火 「道中記」
...長男のやうな柔軟さと気安さで患者と談笑を交へることは困難であつた...
徳田秋聲 「老苦」
...気安さと奇異なうま味がある...
中勘助 「独り碁」
...サッポロ・チャシナイ・クッチャンなどと耳馴れぬアイヌ地名を覚えるのと同じ気安さで...
服部之総 「望郷」
...こだわりのない気安さで母の顔を見た...
林芙美子 「新版 放浪記」
...こだわりのない気安さで母の多いしわを見た...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...体面をつくろうことのいらぬ庶民生活の気安さを...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...遂にはその気安さそのものさえ自分を苦しめ出してくるのだった...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...だがそんな気安さが吹っ飛んだのは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...口に云ひ現すことの出来ない軽い親情が見事に伝へられるやうな気安さを覚えました...
牧野信一 「青白き公園」
...派出の女のひとをたのむ気安さというものもあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...落ち着いた気安さのある人らしいと大姫君は薫を見ていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...良人には幕内の気安さを説き...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...小巴里(せうパリイ)と謂(い)はれる首府丈(だけ)あつて自分は巴里(パリイ)に帰つた様な気安さを感じた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...どういう小むすめの気安さが...
吉川英治 「私本太平記」
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