...葉子はそういう人たちの間にあるのを結句気安く思った...
有島武郎 「或る女」
...なお気安く心地爽かに眠り得た...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...他の人たちがお座敷で三年もなじんだ人よりももつと親しく気安くあんな興味のある...
伊藤野枝 「私信」
...案外気安く大和絵の幅(ふく)を掛けてくれた...
岩本素白 「野の墓」
...まことに気安くて都合がよかったのでした...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...この宿は評判だけあつて、気安くて、深切で、安くて、よろしい、殊に、ぶく/\湧き出る内湯は勿体ないほどよろしかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...と気安く思っているのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分には大変気安くものが書けるようになった...
中谷宇吉郎 「Schreibe wie du sprichst」
...しげしげ伺うようになってからは先生も大分気安く...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...目的もなにもない酔ひと云ふものは気安くて...
林芙美子 「浮雲」
...むしろ気安くていいとさえ思ってはいるものの...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...こんな思いを自分もし又子供にまでさせて漸っとこうして自分が気安くしているのかと思うと...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...気安く優しい女房に要点を打ち明けた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...「申し上げます、根岸の大戸(おおど)さまがお見えになりましたが――」との、取次の言葉には見向きもせず、「片里(へんり)どのなら心置きない――客間にお通し申すまでもなく、失礼ながらこれへお連れ申すがよい」と、気安く言って、自分は尚も絵絹に向っているのでした...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...お若い御主人を気安く思って礼儀なしになっているのであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ここにおいでになるのはすべての点で気安く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一人で来ていられるのはかえって気安く思われますからね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いよいよ気安くなって五六本を傾けた...
夢野久作 「斬られたさに」
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