...葉子はそういう人たちの間にあるのを結句気安く思った...
有島武郎 「或る女」
...彼等のどの言葉にも行為にも、上品さと陶冶とが見られ、衒うところも、不自然な隔意もなく、我々に対する心づかいも、気安く、同情を以て与えられた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...留吉をたいへん気安くして...
竹久夢二 「都の眼」
...それほど気安くて深切にして下さる)そして酒のうまさは!・つかれた脚を湯が待つてゐた・雲がいそいでよい月にする七月十八日晴れて暑い...
種田山頭火 「行乞記」
...院長が気安く診てくれた...
徳田秋声 「仮装人物」
...美代子とは気安く話が出来ましたし...
豊島与志雄 「白藤」
...「ええ、旅は道づれ次第のものですね」それを婦人が、気安く、また意義ある取り方をしてくれたので、米友も助かり、「姉(ねえ)さんも、一人じゃあるめえね、連れがお有んなさるんでしょう」と、米友も如才なく合わせました...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分には大変気安くものが書けるようになった...
中谷宇吉郎 「Schreibe wie du sprichst」
...しげしげ伺うようになってからは先生も大分気安く...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...実用以外の物を贈りたるこそ贈りたる者は気安くして贈られたる者は興深けれ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...「申し上げます、根岸の大戸(おおど)さまがお見えになりましたが――」との、取次の言葉には見向きもせず、「片里(へんり)どのなら心置きない――客間にお通し申すまでもなく、失礼ながらこれへお連れ申すがよい」と、気安く言って、自分は尚も絵絹に向っているのでした...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...薫は主人がたの人として気安く扱いながらも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ここにおいでになるのはすべての点で気安く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一人で来ていられるのはかえって気安く思われますからね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...安いこれらの品を気安く用いた...
柳宗悦 「工藝の道」
...いよいよ気安くなって五六本を傾けた...
夢野久作 「斬られたさに」
...どこか気安く語られるのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを見ると長左衛門宗治も気安くなった...
吉川英治 「新書太閤記」
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