...葉子はそういう人たちの間にあるのを結句気安く思った...
有島武郎 「或る女」
...他の人たちがお座敷で三年もなじんだ人よりももつと親しく気安くあんな興味のある...
伊藤野枝 「私信」
...それほど気安くて深切にして下さる)そして酒のうまさは!・つかれた脚を湯が待つてゐた・雲がいそいでよい月にする七月十八日晴れて暑い...
種田山頭火 「行乞記」
...院長が気安く診てくれた...
徳田秋声 「仮装人物」
...子供は日増しに母親と気安くなって来た...
徳田秋声 「爛」
...」北村は気安く言った...
豊島与志雄 「自由人」
...美代子とは気安く話が出来ましたし...
豊島与志雄 「白藤」
...と気安く思っているのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ええ、旅は道づれ次第のものですね」それを婦人が、気安く、また意義ある取り方をしてくれたので、米友も助かり、「姉(ねえ)さんも、一人じゃあるめえね、連れがお有んなさるんでしょう」と、米友も如才なく合わせました...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰でも父親の鼻息をうかがえば気安くいられるということを語っている...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...目的もなにもない酔ひと云ふものは気安くて...
林芙美子 「浮雲」
...実用以外の物を贈りたるこそ贈りたる者は気安くして贈られたる者は興深けれ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...「申し上げます、根岸の大戸(おおど)さまがお見えになりましたが――」との、取次の言葉には見向きもせず、「片里(へんり)どのなら心置きない――客間にお通し申すまでもなく、失礼ながらこれへお連れ申すがよい」と、気安く言って、自分は尚も絵絹に向っているのでした...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...源氏にとってはこの人ほど気安く思われる夫人はなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それからのちの宮は二条の院へ気安くおいでになることもおできにならなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ここにおいでになるのはすべての点で気安く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...安いこれらの品を気安く用いた...
柳宗悦 「工藝の道」
...それを見ると長左衛門宗治も気安くなった...
吉川英治 「新書太閤記」
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