...同時にまた気安い軽蔑(けいべつ)を感じた...
芥川龍之介 「春」
...葉子は結局それを気安い事にして...
有島武郎 「或る女」
...そりゃ東京では針仕事のできる人なら身一つを過ごすくらいはまことに気安いには相違ないですが...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...一塵(いちじん)を見つけし空や秋の晴末枯(うらがれ)の原をちこちの水たまり気安しや末枯草に且(かつ)憩(いこ)ひ十月二十二日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...不意に肩の荷が除かれたような気安さを与えないでもなかった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...私はひとり北へ、途中行乞しつゝ高鍋まで、一時過ぎに着く、二時間ばかり行乞、此宿をたづねて厄介になる、聞いた通りに、気安い、気持よい宿である...
種田山頭火 「行乞記」
...それほど気安くて深切にして下さる)そして酒のうまさは!・つかれた脚を湯が待つてゐた・雲がいそいでよい月にする七月十八日晴れて暑い...
種田山頭火 「行乞記」
...一人で空想に耽ってる方が気安かった...
豊島与志雄 「公孫樹」
...美代子とは気安く話が出来ましたし...
豊島与志雄 「白藤」
...私には気安いのだ...
豊島与志雄 「復讐」
...本当にこんな風にときどき思い出されたように何か気安めみたいな事を言って来られたりなんかすると...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...或気安さのようなものを感じていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...そのとき気安そうな団長夫人が馬車の扉から顔を出し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...派出の女のひとをたのむ気安さというものもあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...女同士の気安さの中に何(なに)やら晴れがまし...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...気が狂(ちが)ふので無いか知ら……どうして気安いことがあろ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...法師の気安さ」「行くか...
吉川英治 「私本太平記」
...お前の気安(きやす)めになるような...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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