...一塵(いちじん)を見つけし空や秋の晴末枯(うらがれ)の原をちこちの水たまり気安しや末枯草に且(かつ)憩(いこ)ひ十月二十二日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...留吉をたいへん気安くして...
竹久夢二 「都の眼」
...それを予(あらかじ)め知っておらぬと細君も驚く事があるかも知れぬが根が気安過ぎるからの事である故驚く事はない...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...それが何かの気安めになったことを思い出したが...
徳田秋声 「仮装人物」
...庸三は自分への気安めのように聴(き)き流していたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...夫婦生活の憂欝(いううつ)と倦怠(けんたい)から解放された気安さだとも解釈されない事もなかつた...
徳田秋声 「のらもの」
...気安めをいうように...
直木三十五 「南国太平記」
...使でも出そうかと思ってたところです」比田は健三の兄に向ってこの位な気安い口調で話の出来る地位にあった...
夏目漱石 「道草」
...汚れた土を崩す事は気安めではない大きい冷い屋根を引つぺがへして浪の泡沫をふりかけやうか!それとも長い暗いトンネルの中へ鎖の鍵を持つてゐるムカデをトコロテンのやうに押し込んでやらうか!奈落にひしめきあふ不幸な電気人形よ波を叩いて飛ぶ荒鷲のツバサを見よ海よ海!海には自由で軽快な帆船がいつぱいだ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...どんなにか気安いのだ...
林芙美子 「朝夕」
...お話にならない大馬鹿者は私だ! 人のいいって云う事が何の気安めになるだろうか――...
林芙美子 「新版 放浪記」
...お話にならない大馬鹿者は私だ! 人のいゝって云う事が何の気安めになろうか――...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...いつもの気安い親切心が沸いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...それに自分が一番高いところにあるといった気安さもあって...
松濤明 「春の遠山入り」
...落ち着いた気安さのある人らしいと大姫君は薫を見ていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私にすぐ判って気安い思いであった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...気が狂(ちが)ふので無いか知ら……どうして気安いことがあろ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...宿なし犬に縁の下を貸すくらいな気安さで泊めてはくれるが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索