...葉子は結局それを気安い事にして...
有島武郎 「或る女」
...彼等のどの言葉にも行為にも、上品さと陶冶とが見られ、衒うところも、不自然な隔意もなく、我々に対する心づかいも、気安く、同情を以て与えられた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...一時の気安めになるのも...
伊藤左千夫 「去年」
...えらい人のいない気安さから向かいの店のうなどんなどをかけてトランプのバクチをやる...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...私もこれならば気安いと思いました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それは作者の名誉にも不名誉にもならないという気安さがある...
寺田寅彦 「二科会展覧会雑感」
...「あなたは二晩ほどお休みになりませんね」とホームズは彼独特の気安い愛想(あいそう)のよい調子で云った...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...どんなに気安だか知れなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...庸三は自分への気安めのように聴(き)き流していたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...夫婦生活の憂欝(いううつ)と倦怠(けんたい)から解放された気安さだとも解釈されない事もなかつた...
徳田秋声 「のらもの」
...何の気兼ねもない気安いものに思われた...
豊島与志雄 「ものの影」
...其(そ)の場かぎりの気安(きやす)めを云(い)つて置くより仕様(しやう)がなかつた...
永井荷風 「すみだ川」
...しげしげ伺うようになってからは先生も大分気安く...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...どんなにか気安いのだ...
林芙美子 「朝夕」
...お話にならない大馬鹿者は私だ! 人のいいって云う事が何の気安めになるだろうか――...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「申し上げます、根岸の大戸(おおど)さまがお見えになりましたが――」との、取次の言葉には見向きもせず、「片里(へんり)どのなら心置きない――客間にお通し申すまでもなく、失礼ながらこれへお連れ申すがよい」と、気安く言って、自分は尚も絵絹に向っているのでした...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...一人で来ていられるのはかえって気安く思われますからね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わが家におくより気安う存じていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
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