...何処(どこ)の家の物でなければ喰えないなどと贅をいっていた代りには通人を気取ると同時に紳士を任じていた...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...時には自ら素人探偵を気取る程の稚気も持合せているのですから...
江戸川乱歩 「黒手組」
...そんなに気取るなよ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...公衆のまえで気取ると私は顔面から水蒸気を発散するのがつねだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...気取るな、気構へを捨てろ!夜中、行李から冬物をとりだすとき、油虫七匹ほどたゝき殺した、そしてそれが気になつて、とりとめもない事を考へつゞけた、何といふ弱虫だ、私は油虫よりも弱い...
種田山頭火 「其中日記」
...袁世凱(えんせいがい)を気取るような無茶な野心家ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...英雄を気取るものでもないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...カサノヴァを気取る此の軽薄児も...
中島敦 「光と風と夢」
...こうなってはいくら女の手前だからと言って気取る訳にもどうする訳にも行かん...
夏目漱石 「自転車日記」
...存分に使って下せえ」「気取るなよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自まんも恐ろしき胴間声(どうまごゑ)に霞(かすみ)の衣(ころも)衣紋坂(ゑもんざか)と気取るもあり...
樋口一葉 「にごりえ」
...あなた気取ることは止(よ)して...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...でも気取るつもりはおまへん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...そしてヘタを気取るのは今にはじまったことではないから...
三好十郎 「恐怖の季節」
...フフ、気取るなよ...
三好十郎 「胎内」
...特権階級を気取るつもりらしく...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...処女を気取る不良少女は一人も居なかった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...わずかに和歌に隠れて詩人を気取るとも「自己」をのみ目的とする彼に何の価値があろう...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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