...只自分の土地解放は決して自ら尊敬されたり仁人を気取る為めの行動ではなく自分の良心を満足せしむる為めの已むを得ない一の出来事であつた事を諒解して欲しいと思ふ...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...何処(どこ)の家の物でなければ喰えないなどと贅をいっていた代りには通人を気取ると同時に紳士を任じていた...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...素人探偵を気取ることも...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...先生に対して少しも気取る必要は無い...
太宰治 「佳日」
...気取るという事は...
太宰治 「斜陽」
...どうしても気取ることが出来ないのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...古聖人の獲麟を気取るわけでもないけれど...
太宰治 「津軽」
...公衆のまえで気取ると私は顔面から水蒸気を発散するのがつねだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...気取るな、威張るな、角張るな、逆上せるな...
種田山頭火 「其中日記」
...英雄を気取るものでもないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...カサノヴァを気取る此の軽薄児も...
中島敦 「光と風と夢」
...今から何もムッシュウ・ベルジュレやジェロオム・コワニァル師を気取るにも当るまいではないか...
中島敦 「狼疾記」
...御注進とおいでなすったんで」「気取るな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自まんも恐ろしき胴間声(どうまごゑ)に霞(かすみ)の衣(ころも)衣紋坂(ゑもんざか)と気取るもあり...
樋口一葉 「にごりえ」
...決して風流を気取る柄ぢやないが...
牧野信一 「趣味に関して」
...殊にその豪傑志士を気取る処は俗受けのする処であってその実その紀行の大欠点である...
正岡子規 「徒歩旅行を読む」
...笑ったりするのは気取るのだ...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
便利!手書き漢字入力検索