...彼はあまりに女房に気兼ねし過ぎていた...
犬田卯 「競馬」
...軽ければ重い人に気兼ねする複雑な心理にあやつられるものであった...
「草藪」
...彼女は気兼ねして足音忍ばせ階段を昇つて来たのだが...
武田麟太郎 「現代詩」
...そういう気兼ねのいらないのは誠に二十世紀の有難さであろうと思われる...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...彼女は凡てに気兼ねでもするように...
豊島与志雄 「子を奪う」
...あらゆる気兼ねを打捨てながら...
豊島与志雄 「反抗」
...下位の者はただ気兼ねした勝利をしか持ち得ないものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...丸山勇仙が気兼ねをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰にも気兼ねをする者はありゃしませんわ...
中里介山 「大菩薩峠」
...宿なしの彼は同室者に対する気兼ねから...
原民喜 「火の唇」
...何の気兼ねもなしに...
火野葦平 「糞尿譚」
...「ちょっと密談があるので五分間ばかりお人ばらいが願いたいのですが」と私は取り次ぎの男に気兼ねする様な風をして言った...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...余程私に気兼ねでもしてゐるといふ風だつた...
牧野信一 「冬物語」
...それに気兼ねをしたため...
柳田国男 「故郷七十年」
...たった一人誰に気兼ねもなく...
山本笑月 「明治世相百話」
...それを読者に対する気兼ねや何かで...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...あなたは甲谷さんへ気兼ねして...
横光利一 「上海」
...また気兼ねのない伸びやかさを人に与えるものだった...
横光利一 「旅愁」
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