...やっと茲迄考えついた秋田は、ふと気付くと、もうどうやら隣室の騒ぎも済んだらしく、いつの間にかジャズの音は止んで、只、低い囁く様な話声が聞えていた...
大阪圭吉 「花束の虫」
...恰も形而上学の反対物であることを人々は気付くだろう...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...中枢的に把握出来ない処の一つの固有な規定を有っていることを人々は気付くに違いない...
戸坂潤 「科学方法論」
...そうすると判断自身の内に一つの解き難い問題が現われて来るのに人々は気付くであろう...
戸坂潤 「性格としての空間」
...――中国では支那精神の本質をハッキリ把握することに気付く者がいなかったために...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...人はこの触手の存在に気付くことがあまりに少なく...
富永太郎 「警戒」
...日本の言葉の調子が以前と違っているのに気付くだろう...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...肩を叩かれてふと気付くと...
豊島与志雄 「未来の天才」
...ひょいと自己の真の位置に気付くこともあるかも知れない...
中島敦 「狼疾記」
...義理などいふものがまだ力をもつてゐるのに気付くと何か新しい発見でもしたやうな気がした...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...これをマクスグラジャ大将が気付く余裕はなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...雨戸の隙間から蒼白い明りが滲み込むだのに気付くと...
牧野信一 「眠い一日」
...つまり玄人であるということに気付くのです...
宮本百合子 「現実の道」
...自分もまた小娘の感情に還って剥き出しに挑みかけているのに気付く...
矢田津世子 「女心拾遺」
...自分の眼のとどかないところでひそひそ話をしている二人を想像しては妙に神経をいら立たせて監視するような眼つきで二人をみている自分に気付くことがあった...
矢田津世子 「父」
...「この鏡の事は全く予想していなかった」……と気付くと同時に私は...
夢野久作 「冗談に殺す」
...よもや本当の藍丸王と気付く者はあるまい...
夢野久作 「白髪小僧」
...紫色の絹ハンカチである事に気付くと同時に...
夢野久作 「暗黒公使」
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