...そうかと思うと気まぐれに直(す)ぐ出るから...
谷譲次 「踊る地平線」
...花というものは植物の枝に偶然に気まぐれにくっついている紙片や糸くずのようなものでは決してない...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...時々は気まぐれにほんとうのものを見せてくれるので困る...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...彼の気まぐれには...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...私は個人的に少許(すこし)の出金を気まぐれに続けたばかりで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...気まぐれに金にあかして書物を買って有っている素人にさえ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...気まぐれにも程がある...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...自然、善にまれ、悪にまれ、気まぐれにせよ、乃至(ないし)、狂気の沙汰にせよ、ある一つの事にお銀様が興味を持ち出したということは、父にとってむしろ勿怪(もっけ)の幸いであらねばならぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...気まぐれに他出ができるという信頼が...
中里介山 「大菩薩峠」
...気まぐれに寒子に眄をくれながら「今晩は(ボンソアール)お嬢さん(マドモアゼル)」と呼びかけて通つて行く...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...一見気まぐれに見える身振りであつた...
北條民雄 「道化芝居」
...寛大なウィリアム・ウィルスン――オックスフォードでもいちばん高潔でいちばん気前のいいあの自費生――彼の乱行は青年の放肆(ほうし)な空想のさせる乱行にすぎず――彼の過失はまねのできぬ気まぐれにすぎず――彼のいちばん暗い悪徳も無頓着(むとんじゃく)な血気にまかせてする放蕩にすぎない(と彼の取巻き連の言う)あのウィリアム・ウィルスン――がそういうようなことをしようと疑うよりは...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...鋸(のこぎり)の音が気まぐれにそこを飛んでゐたのでわかりました...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...それでも絵は気まぐれにしかやる気がしない由...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...11460福(さいわい)も禍もその折々の気まぐれになって...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ソーントンが軽率な気まぐれにとりつかれて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...武蔵は、まま、気まぐれに、画は人にも示し、乞われれば需(もと)めにも応じたらしいが、書には、全くその例がない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...その夜の気まぐれに基くかのように感ぜられた...
和辻哲郎 「鎖国」
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