...というのはこの黴(かび)くさい陰気な室が大変気に入ってしまったからである...
海野十三 「階段」
...自分には何かこの国が自由なようで気に入っているのだと...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...これを決める決めないは君しだいだ」崑は十娘に目をやったがすぐ気に入ってしまった...
田中貢太郎 「青蛙神」
...しかし英国へ渡ってからは彼の国の風物がすっかり気に入って喜んでいたようであった...
寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
...夫が一等文学に気に入っているらしいからこう呼んだのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...こんな淫蕩のどういうところがわたしの気に入って...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...気に入って頃は元暦元年のどんどん源平...
直木三十五 「死までを語る」
...「夕波くらく啼く千鳥」ではじまるあの『草枕』がよほど気に入っていたらしく...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...此家も今宵限りなりと思へば流石になつかし」先生にはこの西片町の家が気に入っていたので...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
...決して気に入って居なかったのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前の一番気に入っている若者は...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...自分は彼女にも気に入っているのだと信じさせた...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...そしてあざらしが大層気に入って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それにこの位大きい瓶がほしくていたところだからなお更気に入って大よろこびです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あのひとの抒情的ディフォーメイションが余り気に入っていないところもあるけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その上へ日頃気に入っているが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寧子が気に入っていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...気に入ってしまったのだ...
蘭郁二郎 「孤独」
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