...「話が長くなるとお墓参りがおくれるがなあ」老婆は気がねのいる人が来たではないか...
田中貢太郎 「地獄の使」
...姐の家に気がねがあるので往けなかった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...雪子があたりへ気がねしながら廻って来た杯の方へ身を屈(かが)めている向うから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...せめて気がねのない所でぐっすり眠りを貪(むさぼ)りたさに...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...あたり近所に気がねもあるから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...これは母親への気がねのためであることは云ふ迄もないが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それがじぶんひとりの責任であるかのように夫の前で気がねしていた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...金吾が春子さんのことがあって嫁をとる気がねえもんだから...
三好十郎 「樹氷」
...東京を引き上げて来い来いとやかましく言ってはくれるんですが今更気がねをしながら他人の世話になる気もしませんし...
森本薫 「女の一生」
...或日いつものように買物から戻ってきたおきえさんが気がねらしく紀久子の部屋をのぞきこんで...
矢田津世子 「父」
...そう云ってからふと傍の真紀子に気がねの様子で振り返ると...
横光利一 「旅愁」
...千鶴子と自分の外国流の親しさなど見せるのも気がねだった...
横光利一 「旅愁」
...気がねなく思うことを申すがよい」張均は...
吉川英治 「三国志」
...登子へも気がねする風ではあったが...
吉川英治 「私本太平記」
...「権三」「へ」「いやに元気がねえな」「むりでサ親分...
吉川英治 「私本太平記」
...世間馴れない嫁なので、垣の外に佇(たたず)みながら、良人と新左と話しこんでいる様子に、気がねをしたり、また急いでいるふうだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...お気がねなさるのですか」「いや...
吉川英治 「平の将門」
...人知れずハラハラと気がねをして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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