...三人はちょっと毒気をぬかれて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そんなところに突っ立っていないで、まあ、焚火にでもおあたりなさいませ」顎十郎は、毒気をぬかれて、うすぼんやりと焚火のそばへ跼みこむと、女は裾を直し、改めて艶(なま)めかしく横坐りして焚火に手を翳しながら、「ほんとうのことを言いましょうか...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...とても、ただじゃそのあとは伺(うかが)えねえ」「馬鹿ア言え、そんなんじゃねえ」「などと仰言(おっしゃ)るが」「櫓下(やぐらした)で梅吉と言っていた時にゃあ一二度逢ったことがあるが、膚(はだ)を見たなア、今朝がはじめてだ」千太は、あわてて盃をおき、「じゃア、ごらんなったんで」「ああ、見た」千太は、毒気をぬかれて、「旦那も、おひとが悪い...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そしたら留蔵がかえって毒気をぬかれて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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