...ことにそれが毒々しいばかりの真紅になつたときは...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...俺は毒々しい喜びを感じながら真直ぐ切符売場へ進んで行ったのだ...
梅崎春生 「蜆」
...少々毒々しいものがあった...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...海岸のその部分のあたりにある簇葉(むらば)は一種の毒々しい輝きを持っていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...その毒々しい赤い色がわるくかれ等の眼を刺戟した...
田山録弥 「浴室」
...(毒々しい笑い)この僕が気ちがいで...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...毒々しい声が「なぜ通過させないのだ」「どうして通過させないのだ」と云ふやうに思はれる...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...毒々しい言葉を浴せかけて...
徳田秋声 「あらくれ」
...大概毒々しいほどに唇を染めてゐる...
南部修太郎 「阿片の味」
...むしろ毒々しい口調で...
久生十蘭 「湖畔」
...向日葵(ひまわり)の化物のような真紅な蘇鉄花(イリアム・ソニア)がいたるところで悪夢のような毒々しい花を開き...
久生十蘭 「地底獣国」
...祝辞を述べてもらうにはまだ早い」と毒々しいことをいったということである...
久生十蘭 「無月物語」
...向ふの方には舶来の草花らしいのが毒々しい色に咲いて...
正岡子規 「蝶」
...「燕たち」の毒々しい香料で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...客の傍(そば)にも一々毒々しい緑色の切れを張った脇息(きょうそく)が置いてある...
森鴎外 「鼠坂」
...毒々しいものに満足して...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...毒々しい彩りを並べたショーウインドに追いまくられて行く...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...静かに湛(たヽ)へた水の色はどんよりと重く緑青の様に毒々しい...
與謝野寛 「蓬生」
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