...が、髪の根に蠢(うごめ)いてゐるのは、小さな虱と思ひの外、毒々しい、銅色(あかがねいろ)の、大きな百足(むかで)ばかりであつた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...毒々しい濁り水のために...
伊藤左千夫 「水籠」
...毒々しい焼けるやうな味がその特徴なのです...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その毒々しい赤さは...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...何とも云えない毒々しい...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...毒々しい真赤な色だ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...甘い毒々しい香が鼻に滲みた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...赤紫に膨脹した左耳に毒々しい銀蠅が群がってたかりだした...
田中英光 「さようなら」
...静かな毒々しい薄笑いを浮かべた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...」おれは毒々しい気持ちになっていった...
豊島与志雄 「失われた半身」
...毒々しい妖婦的な容貌を想像していたのに...
中島敦 「妖氛録」
...世の中はしつこい、毒々しい、こせこせした、その上ずうずうしい、いやな奴(やつ)で埋(うずま)っている...
夏目漱石 「草枕」
...絶えず毒々しい薄笑ひを浮かべてゐる口許...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...或ひは毒々しい皮肉の口吻を突き出して...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...浪人者の毒々しい視線を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...長崎屋の毒々しい下品な智慧(ちえ)を加えたら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...毒々しい体熱のぬくもりに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...毒々しい幕と緞帳(どんちょう)とで粉飾されています...
吉川英治 「江戸三国志」
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