...あの殿御なる野郎は...
海野十三 「心臓盗難」
...尚一つ見逃がせないものは前述の如く上村源之丞座に鷹匠殿御用とした人足帳のあることである...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...亜米利加で驚くべき売れ行きを示しているアニタ・ルース夫人作の「殿御は金髪がお好き」というユーモア小説でも...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...十七姫御(ひめご)が旅に立つそれを殿御(とのご)が聞きつけて留まれ留まれと袖(そで)を曳(ひ)くそれで留まらぬものならば馬を追い出せ弥太郎殿明日は吉日(きちにち)日も好いで産土参(うぶすなまい)りをしましょうかこれはしごく暢気(のんき)な鼻歌でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを殿御が聞きつけて留まれ留まれと袖を曳くこれがこの先生の得意の鼻歌であると覚(おぼ)しく...
中里介山 「大菩薩峠」
...貴殿御自身に迎えに行く心があったら...
中里介山 「大菩薩峠」
...十七姫御が旅に立つそれを殿御が聞きつけてとまれとまれと袖をひくそれでとまらぬものならば馬を追い出せ弥太郎殿明日は吉日...
中里介山 「大菩薩峠」
...天下無二の宝が数知れず宝蔵の中に唸(うな)っているには相違ないが――貴殿御執心の永徳よりも...
中里介山 「大菩薩峠」
...待ったことでしょう」「…………」「その大事な殿御を...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...殿御腹立ちも尤も至極だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「御毒見番武田幾之助(たけだいくのすけ)、俄(にわ)かの腹痛に苦しみ居ります」「何?」「御膳部に何にか良からぬ物を入れた者があるかと存じます」「馬鹿な」「此程より、殿御不例も、何様以(もっ)て疑わしき事にござります」「つまらぬ事を申すな、――幾之助の腹痛は時候中(あた)りでもあろう、深く詮議して、罪の無い膳部係の者を陥れてはならぬぞ」水野越前は、さすがに箸を捨てましたが、その上の追及を好まない様子です...
野村胡堂 「礫心中」
...女子を漁(あさ)る殿御の心は大てい一つ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...あの殿御はそのような悪いお方じゃないわいなあ」「それそれ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...京水は官蔵を「富小路殿御内斎藤平蔵悴也」と書してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...藤倉殿御夫婦は唯今討果したるばかりなり...
夢野久作 「白くれない」
...右馬介よの」「若殿御上洛のみぎり...
吉川英治 「私本太平記」
...和殿御自身が、やがて、河内源氏の中興の武将となられればよいであろう」志操凛々(しそうりんりん)とみえるこの若公卿の熱情的なことばに、豊麻呂は十七歳の頃からすでに魅せられていた...
吉川英治 「私本太平記」
...また、堺(さかい)に接し、地の利を得ている」「なるほど……」「きょう早速の軍議に、徳川どのには、この機会に、武田領を席巻(せっけん)し、甲府までも、一挙に屠(ほふ)り去らんなどと御主張あったが――それは徳川本位な策、徳川家にとっては、織田勢三万を、ここまで呼び出しているついでゆえ、またとない上策にはちがいないが――わが織田家としては、採(と)るべきでない」「なぜそれを、今朝の御評議でいわなかったか」「いや、末輩からいわなくても、殿御自身、徳川どののその手には乗らんというような顔をしておられた...
吉川英治 「新書太閤記」
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