...なんてご親切な殿御でしょう」内儀さんは溜息をつき...
海野十三 「心臓盗難」
...駆けだしました……その後のことは判事殿御存じのとおりでございます」青年は陳(の)べ終ると...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...前の大納言殿御娘...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...嬉(うれ)しや御坊樣(ごばうさま)か!殿御(とのご)は何處(どこ)にぢゃ?行(ゆ)き處(どこ)は記(おぼ)えてゐる...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...仙波八郎太殿御両人...
直木三十五 「南国太平記」
...十七姫御が旅に立つそれを殿御が聞きつけてとまれとまれと袖をひくそれでとまらぬものならば馬を追い出せ弥太郎殿明日は吉日...
中里介山 「大菩薩峠」
...或時はまた妻木右太之進の優にやさしき殿御振りに心索(ひ)かるると見えました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...奥底の知れない殿御は無いもので御座いましょうか」和漢の物の本などに眼をさらした為でしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...――平次殿御在宿ならば御目にかかりたい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殿御身の上は申迄(もうすまで)もなく...
野村胡堂 「礫心中」
...この粟屋が若州に在る伏見殿御料松永庄の代官職を命ぜられたのは...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...たいそう美しい殿御ぶりでもあるそうな...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...内命ありて尾張大納言殿御見舞申す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...自身に藤倉大和殿御夫婦を訪(おとな)ひ...
夢野久作 「白くれない」
...御拝借の書冊返上 若殿御直(おじき)へ...
吉川英治 「私本太平記」
...留守をかためい』『しばらく』『何かっ』『殿御自身のお出ましは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...――そしてそれを囲んで、門番や家来の者たちが、「たとえお在(い)でであろうと、御不在であろうと、殿御自身が、風来の訪問者と、お試合になるなどという事は決してない...
吉川英治 「柳生月影抄」
...また殿御自身にもキリシタンの教を奉ずる意志があると聞き及んでいる...
和辻哲郎 「鎖国」
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