...第二に藤本鉄石(ふぢもとてつせき)の樹木は錆ナイフのやうに殺気立つてゐる...
芥川龍之介 「僻見」
...あたりには急に殺気立つた空気が感じられた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...下方では殺気立つた空気が暗らがりの中に暗く...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...』或日口笛を吹き鳴らし吹き鳴らし炭坑へ行くとあんなに静かだつた坑夫部屋の窓々が皆殺気立つて糸巻きのやうに空つぽのトロツコがレールに浮いてゐた...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...殺気立つた中に、何ともいへぬ間の抜けたものも感じられる、奇怪な世界であつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...夕刻になると更に殺気立つ...
原民喜 「壊滅の序曲」
...〈アサツテカヘル〉僕には殺気立つた甥の顔が目に見えてくるやうだつた...
原民喜 「災厄の日」
...「何でえ!」と相手が殺気立つて拳固を突き出したから私も...
牧野信一 「歌へる日まで」
...妻は幾分殺気立つて...
牧野信一 「出発」
...眼付までも殺気立つてゐる気合ひに蹴落されて諾々としてしまつたのである...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...此方の隅にマダラが浮いてるぢやねえかよ!」などとAの口調を真似たかのやうに殺気立つて横柄に叫んだり...
牧野信一 「雪景色」
...四人とも殺気立つ位に熱中している...
三好十郎 「冒した者」
...生意気と騒ぎだして殺気立つ...
山本笑月 「明治世相百話」
...格闘は殺気立つてきた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...私はかう云ふ殺気立つた光景を好まないので...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...お光さんはあたりが殺気立つほど冷然として...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...殺気立つばかりな闘争の光景だった...
吉川英治 「平の将門」
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